2008年11月16日 (日)

世界大恐慌と翻訳者

現在の日本は、世界大恐慌という中波に翻弄されている木の葉のようです(今回の世界大恐慌は、100年に一度あるかないかという規模のものですが、人類全体にもたらしたインパクトの大きさという物差しで測るとすれば、今回の世界大恐慌は中波レベルのものに過ぎません。では、本当の大波とはどのようなものかと云うと、農業大革命、産業革命、情報革命の三つです。この三大革命については、拙ブログでも「21世紀を生きる子どもたちへの最良の指南書)」として取り上げており、現在の私は翻訳を生業としている関係から、来る情報革命において翻訳業界はどのような位置づけになるかについても、併せて同記事に書いておきましたので、関心のある翻訳関係者の方々に一読して戴ければ幸いです。
21世紀を生きる子どもたちへの最良の指南書

さて、今回は本記事の題名にある「世界大恐慌と翻訳者」に絞って筆を進めていきます。

私の場合、今回の世界大恐慌が誰の目にも明らかになった、9月16日のリーマン・ブラザーズの倒産以降、海外の翻訳会社からの仕事が激減しました。なかには、顧客からの値下げ要求が厳しいので、お前の翻訳料金を引き下げてくれという翻訳会社が出る始末です。こうした状況下にあってはジタバタしたって仕方がないので、ちょうど良い充電期間に入ったと考え方を切り替え、今までに読もうと思って購入しておいた二メートル近くの本を、片っ端から読み進めるという読書三昧の日々を送っています。無論、このような生活をいつまでも続けられるわけではなく、生活するためにも稼がなければならなりませんが、こうした状況に追い込まれて一番助かったと思ったのは、ProZ.comという世界最大の翻訳者のコミュニティのメンバーであったという点です。ProZ.comを経由して平均して週に一回のペースで、、世界各地の翻訳会社から仕事の打診やトライアルのすすめに関するメールが届きます。最近も、スウェーデンの翻訳会社からトライアルを受けてみないかという誘いのメールがあり、時間があったので受けてみたところ無事に合格、来週から実際に仕事がスタートすることになりました。今回はマニュアルではなく企業誌風の原稿であり、原文である英語を自然な日本語に翻訳する力が求められているだけに、やり甲斐があるなと思った次第です。

ともあれ、世界的な不況に突入した今日、日本国内だけでなく海外の翻訳会社も視野に入れることにより、それだけ仕事を獲得する機会が増えることが容易に想像できると思います。

海外の翻訳会社について
つい最近まで、国内の翻訳会社から英日の仕事を承るのが普通でした。しかし、ここ2~3年で様子が大分変わってきました。日本国外の翻訳会社からの英日翻訳の依頼が大幅に増えてきたのです。私の場合、3年ほど前までは100%国内の翻訳会社から英日翻訳の仕事を承っていました。ところが、1年ほど前には国内の翻訳会社からの依頼が全体の仕事量の10%に下がり、逆に海外の翻訳会社からの仕事の依頼が全体の仕事量の90%を占めるまでになっています。

今日では、世界各地の翻訳会社から仕事やトライアルの打診のメールが届きます。そして、ヨーロッパ・北米といった翻訳会社が設定している英日翻訳の料金は比較的よいのですが(分野によると思いますが、私の場合は自動車・機械・電気電子・半導体分野を専門としており、英文1wordあたり12円前後で設定しています)、逆に香港を含む中国、インド、タイ、ベトナムなどが設定している翻訳の料金は、5~6円と欧米の翻訳会社の半分(3~4円といった具合に、三分の一という翻訳会社もある)という低さです。同じアジアでも、欧米の翻訳会社並みに設定料金が良いのがシンガポールと台湾という印象を持っています。肝心な日本ですが、最近は欧米の翻訳会社よりも翻訳料金の低い会社がほとんどであり、インドや中国本土並みに翻訳料金の低い翻訳会社が増えてきています。そうした翻訳会社との付き合いを2年前から徐々に止めるようになった結果、現在では国内の翻訳会社との付き合いは2社のみとなりました。

ところが、折角付き合い始めた欧米の翻訳会社も、9月16日のリーマン・ブラザーズの倒産をきっかけに、めっきりと翻訳の仕事が減り、なかには小生の設定した翻訳料金を下げて欲しいと言ってくる海外の翻訳会社が出る始末です。また、つい最近まではユーローが強かったので、ヨーロッパの翻訳会社を中心に翻訳の仕事を承ってきましたが、最近はひどいユーロー安であり、そのためヨーロッパの翻訳会社から振り込まれてくるユーロを円に換える気が起こらず、もう少しユーロ高になったら一気に円に両替しようかどうしようかと頭を悩ませています。さらに、ドルも他国の通貨に対してドル高になっているのに、何故か円に対してだけはドル安という有様。したがって、アメリカの翻訳会社から振り込まれてくるドルも、当面は塩漬けにするしかなさそうです(尤も、近い将来ドルが紙屑になる可能性も否定できず、1ドル100円を上回ることも余り期待できないことから、タイミングを見て損を覚悟で円に換えるしかないと諦めの境地です)。そうした事情から、リーマン・ブラザーズの倒産以降、新たに取引を始めた翻訳会社に対しては、円建てでお願いすることにしました。ただ、円にしても所詮は単なる紙切れであり、知遇を得ている在米の藤原肇さんにプレゼントしてもらった『石油と金の魔術』を読みつつ、資産の三分の一程度は金にしようなどと色々と対策を考えています。

なお、資産については金を購入する他、株などを購入するという手もあると思います。特に株という投資を考えてる方は、下手なエコノミストや株評論家のブログやホームページを参考にして株を買うのではなく、飯山一郎氏のホームページを参考にすることをお勧めします。飯山さんとは、過日書いた新記事『邪馬台国論争 終結宣言』が縁で知己になりました。
飯山一郎のホームページ

自分を売り込む

ともあれ、考え方としては国内の翻訳会社だけではなく、広く世界の翻訳会社も対象に入れて自分を売り込むことが肝心です。そのためにも、一番良いのは上記のProZ.comのメンバーになることだと思います。関心を持った読者は、一度同コミュニティにアクセスしてみてください。
ProZ.com

同コミュニティは様々な試みを積極的に推し進めており、最近はProZ.com Certified PRO programという新しい試みを始めました。これは翻訳会社や翻訳者がProZ.com本部に推薦した翻訳者を同ProZ.com本部が審査する形をとり、審査にパスした翻訳者は客観的に実力を備えた翻訳者として認知されたことを意味し、かつそれだけ仕事を獲得する可能性も高まるということになります。幸い、私も数ヶ月前に同審査にパスしました。これからは周囲に居る実力ある翻訳者を積極的にProZ.com本部に推薦していき、英日翻訳のProZ.com Certified PROメンバーを増やし、お互いに仕事を融通し合えるチーム(仲間)ができればと考えています。それには力量ある英日翻訳者をある程度確保する必要があり、そのためにも今後もこの人はと思う英日翻訳者をProZ.com本部に推薦していき、メンバー数を増やしていきたいと思っています。ProZ.com Certified PROの詳細については以下を参照願います。
ProZ.com Certified PRO program

さて、ProZ.comに参加して2年が経った今、朧気ながらも分かってきた海外の翻訳会社が求めている英日翻訳者像について、以下に取り上げておきましょう。一読することにより、翻訳者として今後どのような研鑽を積めば良いのかが自ずと分かると思います。

山岡洋一氏という翻訳家がいます。山岡氏は「翻訳通信」という翻訳関係者には参考になる記事を毎月発行しており、当面は無料で発行する予定とのことなので、関心のある翻訳者は登録することをお勧めします。以下のサイトからダウンロードできます。過去の記事も保管してありますので、関心のある号をダウンロードして読むことも可能です。
翻訳通信 ネット版

さて、最新号の「翻訳通信」(2008年11月号 第2期第78号)の中で、ここ20年間ほどで翻訳の仕事が大きく変わってきたと、山岡氏は以下のように述べています。

 

 
 語学の仕事だった翻訳が大きく変わったのは、 1980 年代末ごろからだったように思う。産業翻訳は、 1985 年のプラザ合意後の円高で激変した。ひとつに は、円高のために輸出産業が打撃を受け、製品輸出 に伴って発生していた外国語方向への翻訳が減少し た。そのうえ、円高で日本の給与水準が高くなった ためだろうが、外国人が大量に日本に移り住むよう になり、日本語をしっかりと学んだ外国人の数が飛 躍的に増えた。そのため、日英などの外国語方向へ の翻訳は、外国人の翻訳者に任せることが多くなっ た。翻訳は母語方向に行うものという常識がようや く、日本でも通用するようになったのである。

 もっと大きかったのは、たぶん、日本人が外国語、 とくに英語に自信をもつようになり、同時に日本語 にも自信をもつようになったことだろう。1990 年代 になると、翻訳調の翻訳は嫌われるようになる。当 時、外資系企業の翻訳発注担当者から、こんな話を 聞いたことがある。数年前までは、製品カタログの 翻訳が翻訳調になっていないと、もっとバタ臭い文 章でないとありがたみがないと営業部門から苦情が でたが、いまでは翻訳調だと逆に、これでは顧客が 読んでくれないと文句をいわれるようになったとい うのである。ほんの数年の間に、翻訳に関する要求 が大きく変わったのである。

さらに読みたい方は、「翻訳通信」(2008年11月号 第2期第78号)をダウンロードしてください(pdf書式)。

「200811.pdf」をダウンロード

以上、山岡氏の主張を私なりにまとめるとすれば、日本語を母語とする産業翻訳者は、英日翻訳(英語以外の原語もありますが、マーケットの観点から英文が圧倒的に多い)を中心に手がけ、かつ専門分野を絞り、判読するのに苦労するような翻訳調の訳文ではなく、読めばスラスラと頭に入るような自然な和文に訳出する力が必要となるし、このあたりの翻訳力は各自それぞれのやり方で磨いていくべきだと思います。私の場合、ブログに様々なジャンルの記事を書いたり、企業への寄稿などといった形で自身の日本語力を磨いています。山岡氏も以下のように書いています。

 

 
 これで翻訳はほんとうに面白い仕事になった。翻 訳が「語学」の仕事だった時代には、産業翻訳者は 数年経つと筆が荒れてくるといわれていた。どのよ うな分野の文書でも、入ってくる仕事を分野を問わ ずこなしていれば、原文の意味を理解できないまま、 機械的に翻訳していかなければならない。これでは、 筆が荒れるのも当然である。これに対して、原文の 内容を十分に理解し、意味を適切に伝えられる優れ た文章を書こうと努力するのであれば、翻訳はいつ も新しい挑戦になる。年数が経てば筆が荒れるどこ ろか、円熟していけるようになる。だから、翻訳者 にとって、総合力で勝負できるというのはじつにあ りがたいことなのだ。

山岡氏の云う「総合力」で勝負できるようになれば、相手の翻訳会社やクライアントが日本国内であろうと、欧米、あるいはアジアであろうと関係なくなります。自分の「総合力」に見合うだけの翻訳料金を支払える翻訳会社を、世界中から探し出しましょう。最後に、本記事のまとめです。

世界最大の翻訳者コミュニティであるProZ.comのメンバーになる
山岡洋一氏の云う「総合力」を磨く

なお、山岡氏の云う「総合力」を磨くにあたって、最適な語学学校がありますので以下に紹介致します。関心ある読者は一度アクセスしてみてください。

サングローバル翻訳講座


ProZ.comの仲間である日本人翻訳者に上記の山岡氏の記事を送ったところ、以下のような感想がメールで届きました。知人の翻訳者の専門は医学ですが、他の分野でも似たような傾向にあると思います。

 

 
山岡洋一氏のお話を読むと気が引き締まります。
辻谷先生の本を読んでも(ショックを受けつつ)、同じような感情が湧いてきます。
でも悲しいかな、医学翻訳ってまだまだ「へんちくりん」な日本語を良しとする風潮がなんとな~く あって、「わけのわからん『暴れたろかっ!』という気になるような日本語=格調が高い」と勘違い してるようなところがあります。この傾向は、日本の製薬企業・医療機器メーカーに多く見られるとい う話。その反対に外資の会社(某製薬会社と某医療機器メーカーを除く)は、けったいな和訳をすると、フィ ードバックという名の苦情がきます(特に某社はすごかった。でもたった1回だけやけどホメてくれたし、 勉強にもなったけど)。

「大不況に関する11月18日付の東京新聞の記事」
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2007年5月24日 (木)

ProZ

三十路に入った頃、仕事でシンガポールに1ヶ月ほど滞在したことがあります。仕事の合間にシンガポールの街に出て、行き交う人たちを眺めながら脳裏に浮かんだ言葉が「人類の坩堝」という言葉でした。シンガポールには華僑、マレー人、インド人を中心に、さまざまな人種の人たちが生活しています。そうしたシンガポールという環境の中に身を置いて、何故かホッとした自分でした。これは、十代の頃に日本を飛び出し、3年近く世界を放浪した体験に基づくものなのでしょう。日本の場合、近所から職場に至るまで、人間関係にかなり神経を使わなければならないので非常に疲れる国です。英語などの外国語を一般の日本人よりも流暢に操る通訳者や翻訳者といった、“国際人”であるはずの人たちのメーリングリストなどにしても同様であり、“日本人村”という壁に囲まれて互いに気心の知れた者同士でワイワイガヤガヤしている光景があちこちに見受けられるのであり、そうした場では「和」を乱さぬように慎重に発言していかなければならないので厄介です。『ユーラシア大陸思索行』(中公文庫)を著した若き頃の色川大吉も、同著の中で以下のように語っています。

B070524 ここ(アフガニスタン)にいて、日本をはるかに考えてみると、私には日本がとても嫌悪すべき国のように見えてくる。びっしりと生い茂った湿性の植物群と流行歌の節まわしがまず浮かんでくる。日本人の大半が溺愛しているあの甘いメロディとお涙ちょうだいの精神風土のことが浮かんでくる。あの小さな島国、奇妙な天皇島での人間と人間との甘え、人間と自然とのなれなれしい内縁関係、そして、その人と人との間にある感情過多に、自己嫌悪をもよおす。私自身、あのような精神風土にどっぷりと首までつかって生きてきたのだ。そのため、私の五体は、今では臓物の内壁にまで蘚苔類が生えてしまった。ここに来てはじめて識る。みずからの実存の気持ちの悪さを。このふしぎな、“気持ちの悪さ”、私の母国との生理的な違和感、それを曳きずって、私は日本史家として、これからどう生きてゆくのか。アジアの人間の一人である私は、この旅に出て、しだいに自分の安定した座を失ってゆく感を深める。

考えてみれば、4年前のユーラシア旅行のときには、私はむしろそうした日本に居直って、歴史的に形成されたこの安全地帯の、平和で甘美な人間関係そのものを、21世紀に招来されるであろう脱戦争時代のおだやかな人間関係の先どり、むしろモデルになりうるものとして積極的に評価しようという道を考えた。今ではそれすら甘い考えであったと反省している。そのためには、まず日本人の一人々々が、そこに居直れるほど毅然とし、おのれの伝統に真実深い自身を持たなければならないのだ。この荒れた風土のなかに住む人間たちの、なんとわれわれにくらべ、一人々々の輪郭のくっきりしていることよ。かれらはたとえ知能低く、外見においていかに貧しく見えようとも、人間主体としてはなにか強靱な個の力をもちあわせている。何かきびしい生命の尊厳のようなものが、時折、キラリとかれらの渺茫たる眸から流れ出す。

『ユーラシア大陸思索行』(色川大吉著 中公文庫)p.185~186

色川氏の上記の記述に肯ける読者であれば、私が「シンガポールという環境の中に身を置いて、何故かホッとした」という理由もお分かりいただけるのではないでしょうか。ところで、その後も同じように「ホッとする」場に遭遇しました。それはProZという、世界中の翻訳者が中心になって立ち上げたサイトです。私は2年ほど前にProZに登録しましたが、本業である翻訳で忙しかったこともあり、つい最近までロム(掲示板などに投稿もせず、ただ読むだけの人を指す)を通してきました。しかし、最近になって漸く時間的な余裕が出てきたことから、さまざまな掲示板で発言を開始してみたのです。そうした中で感じたことは、シンガポールで感じたような安堵感でした。また、発言を積極的に開始するようになってから、ProZで評判の良い翻訳会社数社から声をかけてもらえるようになり、実際に仕事もすでに承っています。そうしたProZの掲示板で、特に私が積極的に発言している掲示板をご紹介しましょう。

KudoZ
ここは、翻訳者が仕事中に適切な訳語を思い浮かばない時に利用する掲示板です。ある意味では怖い場所だとも言えそうです。何故なら、余りにも次元の低い質問をすると、その人の持つ翻訳力を疑われてしまうのだし、回答する側にしてもトンチンカンな回答をすると、やはり切り捨てられてしまう可能性があります。質問者は質問の内容、回答者は回答の内容で、その翻訳者の翻訳力・人間性・専門知識などが、分かる人が見れば分かってしまうのであり、そのあたりを見極める意味で同掲示板に目を通している翻訳会社も少なくないと思います。

Community
文字通りの翻訳者同士による掲示板です。世界中の翻訳者の投稿が、毎日どころか毎時間のように次々に投稿されるのであり、見るからに壮観です。私も時間がある時は積極的に発言するように心がけ、大勢の翻訳者とのつながりを築き上げていきたいと願っています。無論、翻訳者の発言に注目している翻訳会社も多いと思います。2日前に仕事の打診をしてきた、やはり翻訳者の間で評価の高い会社も、掲示板での私の発言を見て私の個人ページにアクセスしてきました。(有償会員になると、どのサイトから誰がアクセスしてきたか、本人だけが知ることができるシステムになっています)

私の場合、日本にある翻訳会社だけを対象に、翻訳の仕事を探そうという気持ちは最早なくなったのだし、今後は益々海外との翻訳会社との取引が増えていきそうな勢いです。一定レベルの翻訳技術という職人技を身に付けていれば、日本の翻訳会社だけではなく世界中の翻訳会社でも通用することが実感として分かりました。また、何も日本に居を構える必要もなく、世界中好きな所で仕事も出来る日が遠からず来そうです。すでに、仕事はメールのやり取りによって行うのが主流になっています。その意味で、子供たちが巣立ったら、将来は海外で生活をしながら仕事を続けていくことも検討しているサムライです。

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2007年1月16日 (火)

グローバル化する翻訳の仕事

私の場合、2年ほど前までは専ら日本国内の翻訳会社から仕事を承っていましたが、最近は海外の翻訳会社と契約して仕事を承ることが多くなりました。ちなみに、現時点において契約している海外の翻訳会社には、イギリス(3社)、チェコ(1社)、タイ(1社)などがあり、今年はさらに増えそうな予感がします。さらに、自動車分野の翻訳(日英・英日)を承ることの多いA社(日本国内)の場合、ヨーロッパなどに支社があり、私が承る仕事も同社の支社を介して届くわけで、見方によっては“海外の翻訳会社”から翻訳の仕事を承っていると言えなくもありません。

海外の翻訳会社との取引が増えているという傾向は何を意味するのかというと、パートナーとしての翻訳会社の対象が日本国内から全世界に広がったことを意味し、それだけ翻訳の仕事を獲得するチャンスが増えたことになりますが、同時にそれは世界中の翻訳者同士での競争の激化に結びつきます。それでも、英日翻訳に関しては日本語を母語としない海外の翻訳者に対しては勝てる自信があるものの、海外に住む日本人の翻訳者や日本語を母語とする翻訳者とは互いに競争ということになります。逆に、日英翻訳の場合は、よほど分野を絞るのでなければ英語を母語とする翻訳者には太刀打ちできません。私は日本で生まれて育った人間なので、英語を母語とする翻訳者の書く英語に太刀打ちできないのも当然といえば当然と言えます。

なお、海外や国内のウエブサイトには、翻訳の仕事を獲得する場を設けているサイトもあります。これから海外にも取引先を増やそうとする翻訳者の方は、一度アクセスしてみてください。

■海外
ProZ:翻訳者の翻訳者による翻訳者のための仕事斡旋サイト。メンバー(有料)になって一年経ちますが、実際に翻訳の仕事をイギリスなどから獲得しているし、Prozに掲載している私のプロフィールを見て個人的に仕事の打診をしてくる翻訳会社も多い。世界中の翻訳会社と翻訳者とを結んでくれる貴重なサイト。

Aquarius
ProZと似たような仕事斡旋サイト。一年ほど前にメンバー(無料)になった。仕事を獲得したことは未だないが、私宛てに直接仕事の打診をしてくることが時々ある。いずれ仕事の獲得にも結びつくと思う。

PeopleWords
個人が立ち上げている仕事斡旋サイト。半年ほど前に登録済み。同サイトを通じて仕事を獲得したことは未だない。印象として翻訳料金が安いのには引っかかる。

★★その他にも以下の団体の会員(有償)となって仕事を獲得する方法もあります。

Institute of Translation & Interpreting

American Translators Association

■国内
翻訳者ディレクトリ:無償の仕事斡旋サイト。個人的には当サイトが一番のお気に入りであり、仕事を獲得したことも多い。今でも時々チェックして、これはと思った翻訳会社に積極的にアプローチをかけている。

翻訳パラダイス:翻訳者ディレクトリと同様に無償の仕事斡旋サイトであり、このサイトも気に入っている。。翻訳パラダイスのオーナーとは知己なので親しみを感じるし、実際に翻訳パラダイスに登録しておいた私のプロフィールを見て、仕事の打診をしてきた会社も数社あり、有り難いことに全て受注に結びついている。

トランスマート:これは翻訳会社が運営している仕事斡旋サイト。私も大分昔に登録済みであるが、今まで一度も仕事を承ったことはない。その理由は翻訳料金が安すぎるからである。しかし、料金的に納得できる仕事があれば、経験のため一度はトランスマートの仕事を承ってみたいと思う。

翻訳者カテゴリーサイト:2年ほど前に登録しているが、多忙であったため同サイトのトライアルを受けたことはない。機会があれば同サイトのトライアルを一度受けてみたいと思う。

★★その他にもアメリアという翻訳会社が運営する仕事斡旋サイトもあります。ただし、アメリアの場合は芳しくない評価の投稿もあります。参考までに問題の投稿を以下に転載しておきましょう。

◆質問 こんにちは
在宅でできるアルバイトを探していたらアメリアという翻訳の仕事ができるサイトを(?)を見つけたのですが、そのページの情報を見ただけではいまいちよくわからなかったんです。
在宅ワーク紹介のサイトのほとんどにはそのアメリアが載ってるのですが、、アメリアのサイトを見る限りではただ"翻訳家になるためのノウハウを教え、求人情報をを提供する"だけのように思えるんです。
実際の所どうなんでしょう??アルバイトととしてすぐに仕事が与えられてばりばりこなせるようなものなのでしょうか??
どなたか教えてください。
◆回答

こちらに実際に翻訳を仕事とされている方のページがあります

http://www.eigodeshigoto.com/blog/

この中にアメリアの記事もあります。いわゆる内職商法では無いのかもしれませんが、かなり仕事をもらうまでのハードルは高く、必ずしも業界の評判は良くないようです。少なくともあなたが期待されている「すぐに仕事が与えられてばりばりこなせる」ような生易しいものでは無いようですね

ただ、それにもかかわらずネット上のアメリアの勧誘広告には、「誰でも出来る!」「英語の知識がなくても心配することはありません」「どなたでも気軽に始められるお仕事」などの甘い勧誘トークが踊っています。これは、まず勧誘ありきの非常に不誠実で信用しにくい業者であると思います。少なくともこの点において、いわゆる悪徳業者と断言しても間違いではないと私は思います

今後のために覚えておいていただきたいのですが、悪徳内職商法の業者はいくつかの共通点があります

まず仕事をするために1円でも要求する業者は確実に悪徳です。さらに資料請求をさせるのも悪徳の共通点です。これは今後勧誘するカモ候補の個人情報を集めることが目的だからです。また初心者歓迎などと宣伝したり、仕事をするために資格取得をさせるのも悪徳業者です。この不景気の社会には、優れた能力や経験や資格を持っていても無職の人が溢れています。わざわざ素人を募集して教育してから仕事をさせる必要など全く無いのです

それと意外かもしれませんが、これまで見てこられたような在宅ワーク紹介のサイトや、折込ちらし、雑誌広告などで簡単に見つかる仕事は、全て悪徳と考えてください。実際には在宅の仕事が広告などで勧誘されることはほとんど無いからです。勧誘するほど仕事はたくさん無いのです

もし本気で在宅の仕事を探されるなら、実際に在宅の仕事で収入を得ている方をご近所で探して、仕事を紹介してもらうのが一番確実な方法でしょう

しかしほとんどの在宅の仕事は驚くほど収入が少なく、しかも仕事量は不定期で不安定です。もし収入が目的であれば、普通のパートやアルバイトのほうが、はるかに簡単に確実に高額の収入を安全に手にすることが出来ると思いますよ

しかし、私は日本翻訳連盟が毎月行っている翻訳環境研究会(フェローアカデミーで毎月行われている)の書記を一年間務めていたことがあり、その関係でアメリアの母体であるフェローアカデミーの理事長・林さんとも幾度か会っており、人柄をよく知っているだけに上記の投稿は俄には信じられません。実際にアメリアのメンバーで、かつアメリアの現状について情報をお持ちの方は御一報願います。

その他、以下の団体の会員(有償)となって仕事を獲得する方法もあります。

日本翻訳連盟

日本翻訳者協会

日本翻訳連盟(JTF)の場合、一年間ほどメンバーだった時期があります。そのJTFで専務理事を務めたことのある高崎栄一郎さんは、今でも私が尊敬する数少ない翻訳者の一人です。

追伸

アメリア事務局のイナダ様より、上記の「教えて!goo」に対して処置を講じた旨の連絡がありましたのでお知らせ致します。詳細は[コメント]を参照願います。イナダ様、お忙しい中ご連絡頂き有り難うございました。2007年8月10日・サムライ拝

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2005年9月30日 (金)

本ブログの今後について

m022 6月12日にブログをスタートしてから、早いもので今日で3ヶ月半が経ちました。その間の体験により、ブログとはどういうものか良く分かりましたので、掲示板【藤原肇の宇宙巡礼】を将来“改装”してブログ化する際に、今回の体験を十分に生かしたいと考えてます。なお、『教育の原点を考える』の電子化も、電子化プロジェクトメンバーの一人、相良さんが最終章のチェックを行っている最中であり、まもなくアップできると思いますので暫くお待ち願います。ともあれ、以前から再三お伝えしてきましたように、3ヵ月半にわたって教育を主テーマに毎日書き続けてきた本ブログの更新は、明日の10月1日以降からは不定期となるものの、今すぐに閉鎖するというわけではなく、当面は不定期更新を続けながら残しておきたいと思いますが、将来においてブログ版「藤原肇宇宙巡礼」が開設された場合、本ブログの閉鎖を視野に入れています。

3ヶ月半にわたってブログを毎日書き続けることが可能だったは、過去において書き連ねてきた私自身の原稿、地質学者の藤原肇氏をはじめとする大勢の先達の原稿の一部を編集し、それに一言二言個人のコメントを付け加えた形ものを数多く投稿してきたことにより、毎日の更新が可能だったと云えると思います。しかし、そうした過去の“原稿”、特に私自身の“原稿”がそろそろ無くなりかけたのが、更新が不定期になる大きな理由の一つです。また、8月の下旬に久しぶりの映画の台本の翻訳が入り、ブログに向かう時間がほとんど取れないという時期がありましたが、その時は苦し紛れに過去の“原稿”を引っ張り出してきて、10回シリーズにわたる「フルベッキ写真」を流したのですが、今から振り返るに怪我の功名だったと思います。何故なら、フルベッキ写真シリーズを通じ、高橋さんをはじめとする多くの人たちと知り合うことができたからです。

ともあれ、この3ヵ月半で過去の原稿を中心に大分“放電”(ブログへの投稿)してきましたので、ここ暫くは仕事と教育を中心に、残りの時間を“充電”(読書、セミナー参加等)にあてていく予定です。それでも気が向けばブログに書くことがあろうかと思いますので、忘れかけたころにご訪問ください。その意味で、ブログ【教育の原点を考える】を今後も宜しくお願い申し上げます。ご参考までに、本ブログの各カタログについては、今後は以下のように取り扱う予定です。

【教育】…既に 「暗黒日記」にて定義した教育について、今後も書き続けていきたいと思います。何となれば、教育こそ国の根幹だからです。
【エネルギー】…毎月、某組織のエネルギー関連の記事の翻訳を担当していることもあり、20世紀を動かしてきた石油文明から、21世紀を動かしていくであろう情報文明にスムーズに移行するための道標になればと願いつつ、筆を進めていく所存です。
【フルベッキ】…その後、高橋先生が精力的にフルベッキ写真についての調査を根気よく続けておられ、その後も時折戴く報告メールに書かれた新しい発見に目を見張ることがしばしばです。高橋さんに頼んで、フルベッキ写真について調査のまとめをお願いしている最中です。
【書籍・雑誌】…過日、某官庁に勤める弟と本のことで話し合った際、「忙しいので月に一冊がせいぜい」と言っていました。私の場合はフリーランスであることからまとまった時間も取れることもあり、同年代と較べて割と書籍を良く読む方だと思いますので、今後もこれはと思う書籍を順次皆様に紹介していくつもりです。
【経済・政治・国際 】…今後もブログに書いても支障の出ない範囲で書き続けます。過日の9・11選挙の正体のように、タイムリーな話題を取り上げていくかと思えば、大久保利通などのように過去の政治家や財界人を取り上げることもあります。
【翻訳】一人の翻訳者として、翻訳の仕事そのもの以外に、翻訳ビジネスあるいは翻訳の将来についても関心がありますので、今後も時々翻訳についての情報を流していくつもりです。

最後に、今後は不定期になるのにもかかわらず、上記のカテゴリー以外に新たなカテゴリー【フリーメーソン】を設けることにしました。本ブログでも時折フリーメーソンについて書き連ねてきましたが、このテーマは非常に重要なテーマであるだけでなく、現在の私たちの生活は無論のこと、21世紀を生きる人たちの行動・思考様式に大なり小なりの影響をもたらすであろうことは必定であることから、新たにカテゴリーとして独立させることにしたものです。今月は20日あたりまでバタバタしていますが、それ以降にでもフリーメーソンについての第一弾を書く予定です。

今度もブログ【教育の原点を考える】を宜しくお願い申し上げます。

1998年9月30日にサラリーマンを辞め、今日でちょうど7年目のサムライ拝

写真提供:むうじん館 http://www.fsinet.or.jp/~munesan/
 散歩コースの里山では手入れが行き届かなくなり、ミドリヒョウモンを見かけることが少なくなりました。それではと、手入れがされている里山に足を伸ばしたところ、いました、いました。(むうじんさん)

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2005年9月21日 (水)

TRADOS

つい最近までTRADOS(トラドスと発音する。翻訳支援ツール、すなわち一種の翻訳ソフトのこと。パソコンのOSはマイクロソフトのウィンドウズが主流であるように、翻訳業界の主流翻訳ソフトがTRADOSなのである)とは縁のなかった私ですが、それがここに来てTRADOSを導入することになりました。きっかけは、最近契約を交わした某翻訳会社のコーディネーターさんから「サムライ様はTRADOSを導入するご予定はありますか」と尋ねられたのがそもそもの始まりでした。実は、長い付き合いのある他の翻訳会社数社からも、「サムライさんがTRADOSを導入してくれれば、幾らでも仕事を出せるのですが…」と言われ続けてきました。そうした電話やメールがあるたびに、「いずれTRADOSに取り組みたいと思います…」と曖昧な回答を繰り返し続けて数年の月日が流れています。

前々からTRADOSをインストールしているのが仕事を回す条件になっている翻訳会社が多かったのですが、最近はとみにTRADOSを所有しているか否かが採用の条件となる翻訳会社が増えてきたような気がします。また、最近TRADOSを買収したSDLに知人が勤務しており、そこから色々とTRADOSに関する情報が入手できることが期待できる上、数日前に翻訳者として契約を交わした上記の某翻訳会社のコーディネーターさんからも、「(TRADOSを修得していく過程で)ご遠慮なく操作についてお尋ねください。分かる範囲でお答えします」という有り難いメールを頂戴していることもあり、これだけ恵まれた環境にあるのなら、TRADOSに挑戦しないというのは勿体ないと思った次第です。

ともあれ、TRADOSに本格的に取り組むことになりましたので、ここしばらくは「Wordfast」を習得するのは延期にしたいと思います。TRADOSに関しては、すでに大勢の翻訳者が使っていることでもあり、インターネットの世界でもTRADOSに関する情報は山のようにあることから、本ブログにおいて敢えてTRADOS云々について書くつもりはありません。ただ、私の場合TRADOS以外に色々と他の翻訳支援ツール(富士通アトラス、Transit、CT、Wordfast)を体験してきましたので、TRADOSとの比較という観点から何か面白いものが書けるのではと思いますので、一定のテーマがまとまった場合は皆さんに報告したいと思います。

早速クロネコヤマトのブックサービスを通じて『TRADOS6 Freelance』(中山洋一著 九天社)を昨日入手し、パラパラとページを捲ってみましたが、画面のイラストが多く、解説も分かりやすいという印象を持ちました。アマゾンドットコムの書評などを読んでも「かゆいところに手が届く」といった記述があるので、CT同様に今後の自分の翻訳人生の強力な武器になることを期待したいと思います。

ところで、今回契約した上記の翻訳会社は某電子メーカーの子会社です。すなわち、普通は【クライアント(メーカー)】←→【翻訳会社】←→【翻訳者】という流れなのですが、今回の場合は【クライアント(メーカー)】←→【クライアントの子会社】←→【翻訳者】という流れになります。つまり、翻訳会社の代わりにクライアントの子会社である翻訳会社が間に入る形になりますが、クライアントと翻訳者の間に翻訳会社が入るという一般的なケースと異なり、間にクライアントの子会社(翻訳会社)が入ることで、ビジネス戦術の観点から優れていると思った次第です。以下は、間に翻訳会社が入るかクライアントの子会社が入るかによるメリット・デメリットの比較表です。

翻訳会社か子会社か…
内容翻訳会社子会社
料金
×
品質
×
管理
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最初に、一翻訳者の立場から言えば、[料金面]では【クライアント】←→【クライアントの子会社】←→【翻訳者】のケースの方が、【クライアント】←→【翻訳会社】←→【翻訳者】のケースよりも、高い翻訳料金なので有り難く思うのが普通でしょう。一般に、翻訳会社は営業担当者を置いて翻訳の仕事を獲得したり、広告宣伝費等が必要ですが、クライアントの子会社の場合は一切必要ありません。何故なら、翻訳の仕事は常に親会社から回ってくるのですから営業活動は必要ないのです。したがって、それだけ余分に翻訳者に翻訳料金を支払うことが可能になるのです。また、品質面でも、一般に翻訳者がクライアントに直接翻訳上の問い合わせをすることは原則としてタブーとなっており、翻訳会社を介して問い合わせするのが普通です。【クライアント】←→【クライアントの子会社】←→【翻訳者】のケースであれば、親会社と子会社というツーカーの間柄ですので、かなりのレベルの質問にも答えてもらえるというわけであり、必然的にそれが翻訳品質に反映されることは言うまでもありません。無論、良いことずくめではなく、本来は翻訳会社に丸投げしておけば、翻訳料金・翻訳品質を問わなければ、後は黙っても期限内に訳文が仕上がってくるので楽なのですが、自社あるいは子会社を使って翻訳業務をやらせるとなると、翻訳関連の業務以外にも人材雇用の面・管理費・その他をこなさなければならないという煩わしさが生じてきます。

ここまで書けば推測できるかと思いますが、クライアントが一部上場といったある程度の規模の会社でないと、子会社に翻訳業務をやらせるのには無理があり、中小企業であれば懇意の翻訳会社に翻訳の依頼を丸投げにした方が、遙かに能率的ということは言うまでもありません。翻訳料金だけを考えれば、定年を迎えて子どもたちも巣立ち、後は小遣いぎ程度の翻訳料金をもらえれば良いということで、タダ同然の翻訳料で仕事を引き受ける一部の日本人の翻訳者、あるいは中国人やインド人の翻訳者に依頼すれば翻訳料金が遙かに安くて済みますが、品質について問題になることが多くなるはずであり、料金の安さに惹かれて海外の翻訳会社に翻訳を依頼した体験のある企業であれば、翻訳品質に問題があることについては身に染みて分かっているはずです。かといって従来通り日本の翻訳会社に依頼すれば、高い翻訳料金を請求されるというジレンマに日本の企業は立たされているのです。それならいっそのこと、自社製品に対して技術的な背景知識のある、優れた翻訳者だけを自社にプールしておけば、翻訳品質の面で全く問題が無い上、翻訳者にも十分に満足してもらえる翻訳料金を支払えるというわけであり、双方万々歳ということになるのです。

それでも、上次元から眺めれば、将来的に見た翻訳の仕事は、確かな翻訳力を持つ一部の日本人の翻訳者→翻訳技術が向上した外国人の翻訳者→翻訳精度が向上した機械へとシフトしていくであろうし、それにつれて段々と翻訳料金も下がっていくのは避けられない状勢でしょう。そうした風潮の中、翻訳者として今後も生き延びていくには、外国の翻訳者や機械にはできないレベルの翻訳の「質」で勝負することだと私は思います。と同時に、それだけでは生活していくには苦しい場合は、妥協案としてTRADOSなどの翻訳支援ツールを使った翻訳の「量」の仕事も並行して手をつける必要があります。ともあれ、どの仕事もそうでしょうが、のほほんとしていては遠からず翻訳業界から“弾き出される”ことは目に見えています。

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2005年9月 4日 (日)

新分野への挑戦

先月の下旬、久しぶりに映画の台本の翻訳(英文和訳)に取り組みました。もともとは一般の産業翻訳者として出発した私であり、6年が経った今日では一応はベテランの部類に入ると思いますが、知人の紹介で今年に入ってから承るようになった映像翻訳に関しては、まだまだ“新人”翻訳者に過ぎません。その映画の台本の仕事を終えた数日前、翻訳会社・サングローバル社から、同社主催で今月の10日に開催される「翻訳者の集い2005(翻訳者・翻訳会社交流イベント)」に出席しませんかというお誘いのメールが届いたのです。

上記の同社のホームページを訪問していただくと分かりますが、映像翻訳では大先輩にあたる戸田奈津子氏、最近私が体験したCT方式の生みの親・水野麻子氏が尊敬しているという医学分野の翻訳の大ベテラン・辻谷真一郎氏らが参加すると書いてありました(辻谷氏とは数回お会いしています)。また、現在の私は特許翻訳の通信講座を受講中のこともあり、大島特許事務所所長による「特許翻訳の特徴と展望」というテーマの講演にも大いに関心があります。その他、ニフティの翻訳フォーラムで有名な井口耕二氏(大分前ですが、日本翻訳連盟の翻訳環境研究会でお会いし、名刺交換を行っています)、私にとっては日英翻訳の師匠であるニコラス・ズンドルフ氏など、大勢の旧知の翻訳者に会えると思うと是非参加したいのは山々なのですが、生憎子どもたちがお世話になっているサッカーチームの試合が予定されており、9月10日は子どもたちの通う学校が会場校になっていることから、その日は早朝からグラウンド整備を行ったり、来校する他の小学生のチームを接待したりしなければなりません。したがって、残念ながら今年も欠席です。ただ、当日参加が可能な方は、この機会に大勢の翻訳者と知己になり、翻訳会社に自分を売り込む意味で参加されるといいのではないでしょうか。

ところで、今年はじめから承るようになった映像翻訳に続いて、どうやら医学分野の翻訳の仕事も本格的にスタートしそうです。長年お付き合いをしていただいている某翻訳会社から、ブログ【教育の原点を考える】に『 究極の免疫力』や『内臓が生みだす心』を書いたサムライなら、医学分野の翻訳が一応は出来るだろうと思われたらしく、他に医学が分かる翻訳者がいないという事情も手伝い、急遽私に御鉢が回ったという経緯がありました。これから当分シリーズで続く仕事とのことですので、仕事のジャンルを広げる折角のチャンスであると捉え、無謀ながらも前向きに同社の仕事を引き受けました。これで現在受講中の特許翻訳講座が修了すれば、前々からリストアップしていた特許関連の翻訳会社にトライアルを申し込むつもりなので、さらに仕事のジャンルが広がりそうです。そうなると、機械・自動車、電気・電子、土木・建築といった一般産業翻訳に加えて、映像・医学・特許を“専門分野”に加えることになりますが、事の成り行きとは云え、こんなに一度に大丈夫かなぁ…と我ながら心配になります。飽きっぽい性格の私ですので、結局は虻蜂取らずに終わってしまうのかもしれません…。

さらに、国際契約に関しては日本でも五指に入るIBDとお付き合いがあることから、前々から国際契約の英語に挑戦しようと検討していました。昔は貿易の仕事に計5年ほど従事していましたので、国際ビジネスについて多少は分かっているつもりですが、無論それだけの体験で国際契約の翻訳ができるほど甘くはありません。今年になって蒔いた、「映像」、「特許」、「医学」という種のうち、どれか一つだけでも芽が出るように頑張り、その芽が勢いよく生長する様子を見届けてから、はじめて国際契約という種を蒔こうと思っています。

最近届いた『通訳翻訳ジャーナル』10月号(イカロス出版)で「収入アップ! 5つの秘訣」という特集が載っていますが、今回お話したのは5つの秘訣の一つ、「仕事のジャンルを広げる」に相当します。ちなみに、同誌に書かれている5つの秘訣とは以下の通りです。

秘訣1: ツールを使いこなす
秘訣2: 仕事のジャンルを広げる
秘訣3: 営業で自己アピール
秘訣4: クオリティを維持・向上させる
秘訣5: 社会人としての営業を身につける

詳細は『通訳翻訳ジャーナル』10月号を参照してください。また、本ブログの翻訳編でも以下のように秘訣1~5に相当することを書いていますので、関心のある方は一読願います。

ブログ【教育の原点を考える】翻訳編

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2005年8月12日 (金)

研究社の英和辞典を巡る“論争”

副島隆彦氏が著した語学関係の著作に、『欠陥英和辞典の研究』および『英語辞書大論争!』(共にJICC出版局より出版)という本があります(最近になって復刊となったようで、副島氏のHPで2冊合わせて5千円で発売していました)。確か10年以上前に発行された本であり、その当時の私は同書を入手して目を通したことがあるものの、3年ほど前に書架を整理する際、他の300冊ほどの本と一緒に処分しているので最早手許にはありません。『欠陥英和辞典の研究』および『英語辞書大論争!』を処分したのは、山岸勝榮氏という英和辞典の編集者のホームページ《山岸勝榮 英語辞書・教育研究所》を訪問したのが切っ掛けでした。副島氏の『欠陥英和辞典の研究』および『英語辞書大論争!』は、研究社の『新英和中辞典』および『ライトハウス英和辞典』を辛辣に批判した本であり、山岸氏は『新英和中辞典』および『ライトハウス英和辞典』には関与していないものの、同じ英和辞典の編者として副島氏の『欠陥英和辞典の研究』および『英語辞書大論争!』に対して批判を書いたのであり、その山岸氏の批判に対する副島氏自身の回答が、漸く十数年後になって副島氏の掲示板に載ったのです。しかし…

[74](2) これは、山岸勝栄(やまぎしかつえい)のサイト 投稿者:副島隆彦投稿日:2003/04/26(Sat) 07:29:04
副島隆彦です。
以下のサイトは、私、副島隆彦の本を批判する事で、ご飯を食べいてる山岸勝栄(やまぎしかつえい)という人のサイトです。
はじめて覗いて、随分と、商売になっているようだと、驚きました。
馬鹿な人だけど、こういうのが、典型的な日本人の一種なのでしょう。

副島隆彦記

上記ののサイトのURL

http://jiten.cside3.jp/index.html

b050812a 上記の文章を読み、皆さんはどう思われたでしょうか?

山岸氏が副島氏に対してどのような批評を行ったのかは兎も角、山岸氏に批判されてから十数年後も後に、しかも正面から反論するわけでもなく、「馬鹿な人だけど、こういうのが、典型的な日本人の一種なのでしょう」と訳の分からないことを言い放つあたり、副島氏には一社会人としての常識があるのかと、呆れるより他はありませんでした。

山岸氏によれば、上記の副島氏の回答は既に削除されてしまっているとのことですが、それは恐らく副島氏が己れ自身の非を認めたものなのでしょう。幸いなことに、副島氏の上記の回答は今でも山岸氏のHPの[XXI 『欠陥英和辞典の研究』、『英語辞書大論争!』の著者に思う]というページに残してありますので一度目を通してみてください。私も確かに3年ほど前に副島氏のサイトで上記の投稿を1~2回読んだ記憶があります。

山岸氏自身のHPに「副島氏に論争の意思がおありなら私まで連絡を乞う」と書いてありましたが、十数年も経て漸く届いた副島氏の上記の回答を見て流石の山岸氏も呆れたようであり、[XXI 『欠陥英和辞典の研究』、『英語辞書大論争!』の著者に思う]のページに以下のように述べています。

 私は、氏の英語に関する言説を主に問題とし、前記諸論考で、上記2書の中身の学問的検証を行ないました。従って、それに対する学問的な論駁や反証のための書き込みなら大いに有益だと思いましたし、私もそれらを冷静に受け止める用意がありました。しかし、今はもう何を言っても無駄という思いを強くしています。氏にかかれば、白は黒になり、黒は白になるようですから。自著には『欠陥英和辞典の“研究”』だの『英語辞書“大論争”!』だのと立派な題名を掲げ、その中では「この本(『欠陥英和辞典の研究』)のどこが『揚げ足取り』で、なぜ『言いがかり』なのかを、明確に論証しなければならない」(170頁)などと大見得を切っておきながら、いざそれに学問的・建設的反論を寄せようとする人(たち)が出て来ると、今度はその人(たち)に猛然と敵意を示すというような氏の姿勢に、陋劣(ろうれつ)さ、頑陋(がんろう)さを感じるのは決して私一人ではないでしょう。

b050812b 私のような一介の翻訳者も含め、山岸氏といった語学のプロからみて考えられないような数々の誤謬を犯した『欠陥英和辞典の研究』および『英語辞書大論争!』を復刊したとのことですが、少なくとも山岸氏から指摘された誤謬だけでも訂正されていることを期待したいと思います。なお、翻訳家の山岡洋一氏も、自身のホームページの翻訳通信で意見を述べていますので目を通してみるといいでしょう。

追伸: 光栄にも山岸教授からメールをいただきましたので、以下に転載致します。

サムライ様
 メールを拝読致しました。良くぞ書いて下さったと言うのが、偽らざる気持ちです。誰しも間違いを犯しますが、問題は、間違いを犯した本人がそれと気づいた時の態度、それを指摘する人間の指摘の仕方だと思います。その意味において、S氏の言動はあまりにも醜悪であり、常軌を逸しています。
 サムライ様のお陰で、私の真意を知ってくださる方々が一層増えることを期待しております。
 産業翻訳に従事しておられる由、ご成功を心より祈念致します。今後、いろいろとご教示ください。ありがとうございました。
8月13日 山岸勝榮

追伸:また貴サイトを訪問させていただきます。

長野県の某高校で英語教師をやっておられる方が、副島隆彦氏の著した『欠陥英和辞典の研究』を理路整然と批判していました。

欠陥「欠陥英和辞典の研究」の研究

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2005年8月11日 (木)

一流の翻訳者

時たまですが、翻訳の仕事をしたいという人たちから一流の翻訳者について訊かれることがあります。その場合、「森鴎外、夏目漱石、福沢諭吉あたりかな」と私は答えるのを常としていますが、夏目漱石については『昭和の劇』を取り上げたときに簡単に触れましたし、森鴎外については今週の土曜日に対談記事「〝明治の大文豪〟森鴎外の隠された真実」のアップのお知らせの際にも筆を進める予定でいます(尤も、2人の文豪の“裏の顔”について取り上げたものであり、翻訳とは無関係の投稿になっています)。よって、もう1人の一流翻訳者である福沢諭吉について簡単に触れておきましょう。以下は私のパソコンに保存してある5年前のフォルダに入っていた、『「文明論之概略」を読む』と題した一流翻訳者に関する文章の一部です。(※ 一部書き直してあります)

 私自身が翻訳を本業にしているからでしょうか、当藤原ML(注:5年前に私が主宰していた「藤原肇」というメーリングリスト)には翻訳者が大勢参加しています。その「翻訳」に関して、丸山真男が『文明論之概略』の「第一講 幕末維新の知識人」で取り上げていますので一言述べさせていただきます。(余裕があれば、同じ丸山真男と加藤周一の対談、『翻訳と日本の近代化』を一読されるとさらに思います)

「日本の学者というのはヨコのものをタテにしただけ……つまり、横文字を読んで、それを日本に紹介しただけ……じゃないかと。たしかにそのとおりです。しかし、ヨコのものをタテにするというのは実は大変なことなのだ、ということも考えていただきたい。これは、福沢諭吉を理解する上で非常に大事なことなのです。まさに、福沢は、ヨコのものをタテにするために大奮闘した先駆的思想家です。」

『「文明論之概略」を読む』は丸山真男の優れた著作の1冊であるので、1人でも大勢の人たちに一読していただければと思います。また、同書は4年前に藤原肇氏を囲んでの脱藩道場総会で採用したテキストでもありました。当時書いた『「文明論之概略」を読む』の書評が見つかれば、本ブログに載せたいと思います。

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2005年7月28日 (木)

Wordfast

かなり以前から、フリーウェアの翻訳支援ツール「Wordfast」の存在は知っていましたが、なかなか手にして使うという気が起きませんでした。それと言うのも、オンラインの無料の機械翻訳を幾度か使用してみたり、市販の富士通のアトラス、Trados、Transitなどのセミナーを受けたり、さらには実際に翻訳の仕事に1~2回使った体験があるなど、機械翻訳や翻訳支援ツールの長所・短所を、翻訳者ではない一般の人たちよりは憖っか知っていただけに、Wordfastも(あまり役に立たない意味では他の翻訳支援ツールと)同じだろう程度の気持ちでいたのです。しかし、過日以下のサイトを訪れ、初めてWordfastがマイクロソフトのワープロソフトであるWordにアドインするテンプレートだと知り、急に興味を覚えたのでした。何故なら、ここ1ヶ月取り組んでいるCTも、Wordfast同様にWordにアドインするテンプレートだからです。
http://www.trustwords.com/wf/

上記のHPのオーナーである山田聡氏は、Wordfastのマニュアルを和訳した人であることを同HPを訪問して初めて知りました。そこでWordfastをパソコンにインストールした7月25日に、山田氏の掲示板に以下のような書き込みをしたのです。

http://www.trustwords.com/freecgi/TreeBBS/index.cgi?bid=1&page=1

1. WordfastとCT [サムライ] 2005/07/25 07:31:24
最近、Wordfastの存在を知ったサムライと申します。翻訳の世界に入ってから6年になりますが、最近は繰り返しの表現が多いマニュアルタイプの仕事が増えてきたことから、翻訳の仕事を効率的に行う術を模索してきました。そうした中で出会ったのが、特許翻訳者の水野麻子氏のCTという翻訳術です。これは“フォートリーディング”という画期的な手法を採り入れた翻訳技術であり、これにWordのマクロを組み合わせたもと言えば理解が早いと思います。CTについて個人的な感想を拙ブログに書きましたので、以下を参照願います。
http://pro.cocolog-tcom.com/edu/cat3631693/index.html

また、前々から気になっていたWordfastもWordのマクロと知り、CTと組み合わせたら何かが生まれるかもしれないと閃き、昨日Wordにインストールしてみました。これから本業の合間に山田さんに翻訳していただいたマニュアルを片手に、少しずつ操作方法を覚えていきたいと思います。分からない点や疑問点が出ましたらここの掲示板を訪問して問い合わせさせて戴きたいと存じますので、御指導のほど宜しくお願い申し上げます。

サムライ拝
http://pro.cocolog-tcom.com/edu/

それに対して、山田氏から以下のような回答を頂いています。

2. Re: WordfastとCT [山田聡] 2005/07/25 15:56:40
サムライさん

CTというのは、私には未知の世界ですが、Wordのマクロ同士なら何か面白いことができるかもしれませんね。私はマクロの詳しいことは分かりませんが、できる範囲で協力させていただきます。

CTに関しては既に今月から翻訳の仕事に活用していますが、Wordfastに関しては1回サンプルの原稿を使って実際に走らせてみたに過ぎません。それでも、CTとWordfastを併用することによって生じるであろうメリットとして、少なくとも以下のようなものがあることが分かりました。

■グロッサリー(用語集)が基本的に共有できること。CTもWordfastもタブ区切り形式(TEXT)を採用しています。但し、Wordfastの場合、ワイルドカード機能を持たせるために"*"を使用しますので、厳密には単純に共通して使用することはできないかもしれません。このあたりについては、今後実際に使用していくにあたって確かめていきたいと思います。
■Wordfastの付録Ⅰの「セグメント分割とTMについて」に、「最初の行を翻訳し終えると、Wordfastが次の行を認識し、候補の訳文を提示することによって下訳もしてくれます」(p.100)とあります。過去の資産である翻訳メモリに、現在進行中の翻訳作業の原稿に候補の訳文がなくても、現在進行中の翻訳作業の原稿自体に候補の訳文があるケースが多いのは、翻訳者であれば体験上知っていると思います。その意味で、同じ原稿の中で後から出てくる候補の(似通った)訳文の下訳をしてくれるというWordfast機能は有り難く思います。そのWordfastの機能と並行して、CTの画期的な翻訳方式・フォトリーディングで翻訳を進めていったとしたら、今まで以上に翻訳のスピード・品質がアップするのでは、という気がしてきました。しかし、実際にある程度使い込んでみないことには今のところなんとも言えません。

その他、CTとWordfastの併用によって、さらに多くのメリットが出てくるような気がしますが、そのあたりは追々まとめて報告していくつもりです。

最後に、Wordfastに限らず他の翻訳支援ツールについても言えることですが、実際に自分で走らせてみることにより、身体で操作方法を覚えることが肝心なのですが、その点で初めて翻訳支援ツールというものに接する人たちは大変だろうなと思います。幸い、私の場合は色々な翻訳支援ツールを囓ってきましたので(どれもマスターしたとは云えず、中途半端ですが…)、今のところ山田氏の翻訳したマニュアルを理解し、Wordfastを色々と試すことが可能です。しかし、上級レベルになったら、山田氏のアドバイスが必要になるとは確実です。その折りは、山田さん、宜しくお願い致します。

Wordfast:パソコンの標準OSであるマイクロソフトのウィンドウズの牙城を脅かすのがリナックスであるとすれば、翻訳の標準翻訳支援ツール(一種の翻訳ソフト)であるTRADOS(トラドス)の牙城を脅かすのがWordfastである。

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2005年7月22日 (金)

CT初体験

いつもお世話になっている翻訳会社から、嗜好品を製造する機械マニュアルの翻訳の仕事(英文和訳)が来たので、早速CTを翻訳作業に活用してみました。無論、CTを仕事に利用するのは今回が初めてでした。以下はCTを実際に仕事に使ってみた上での個人的な感想です。

今回の最終クライアントからの仕事は、今までに幾度か翻訳の仕事を承っていますので、今後も似たような内容の仕事を依頼される可能性が高いことを考慮し、CTを使って〝専門用語集〟を残すことにしました。具体的には、次回から今回登録した専門用語を自動的に入力してくれる機能を備えた専門用語集に作成したのですが、それ以外に、次回似たような文章に当たった場合、そうした文章・段落単位も自動的に自動翻訳してくれるように〝文章・段落の翻訳メモリ〟も残しました。ここで云う〝文章・段落単位の翻訳メモリ〟とは、翻訳支援ツールについている、一種の翻訳メモリに似通っていますが、厳密に言えば若干違います。そのあたりの解説については、機会があれば述べさせていただくとして、本日は次に筆を進めます。

さて、CTを使って最初に行ったことは、大量の原稿をサーッと〝眺めながら〟、目に入った出現頻度の高い専門用語を、次々とWordの置換で一括置換しながら、同時に専門用語集を同時進行の形で作成していきました。ある程度専門用語が溜まった段階で、次に〝読まずに読む〟というCT方式に倣い、ダーッと翻訳を進めました。尤も、練習で少し体験したとは云え、実際にCTを使って翻訳作業を行うのは初めてというともあり、流石に最初の1時間はノロノロ運転でした。しかし、慣れて行くにしたがい、スピードも徐々にアップしていったのです。初めてCTで翻訳作業を行ったのにも拘わらず、今までの1.5~2倍スピードアップしたなという手応えを得ました。次回も同じような仕事が回って来たと仮定すれば、今回構築した〝専門用語集〟および〝文章・段落の翻訳メモリ〟を活用することで、一層スピーディに次回の仕事が進むのは確実であると思います。

ところで、今回は生産機械の操作マニュアルということもあり、CTが威力を発揮してくれる形になりましたが、来月に入ると1年間に及ぶ経営・ビジネス分野の仕事がスタートするのであり、この場合はどうなるでしょうか…。何処までCTが通用するのか、今から非常に楽しみです。そこの最終クライアントとは初めてのお付き合いになりますが、予め用語集を送付してくれるというので、用語の統一程度はCTが利用できると思います。ただ、内容的には世界経済の潮流および勃発的な世界政治・経済のニュースが中心になると思いますので、用語の統一以外ではCTは役に立たないような気がします。ともあれ、実際に取り組んだ上で後にご報告したいと思います。

なお、今回CTを使ってみてつくづく思ったことですが、CTは翻訳作業に絞って開発されたWord専用のマクロであることから、ある程度翻訳の体験がある人、あるいは翻訳の仕事をしている翻訳者でないと、CTは宝の持ち腐れで終わってしまうことは確実です。よって、CTはプロの翻訳者(殊に産業翻訳者)あるいは日常業務の中で翻訳も行う機会が多いビジネスマンにこそ、大変心強いツールであると断言できますが、そうでない人は手を出さない方が無難です。

CT(Cooperative Translation):プログラマーの水野雅之氏と特許翻訳者の水野麻子氏ご夫妻による手作りのマクロ集。産業翻訳に威力を発揮するマクロが揃っており、マスターすれば翻訳のスピード・品質・収入のアップに繋がる。詳細は以下のサイトを参照のこと。
http://www.monjunet.ne.jp/CT/

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2005年7月10日 (日)

CTのすすめ

私は、1~2ヵ月に一度の割でメールマガジンの「まぐまぐ」を訪問し、「翻訳」をキーワードにして[まぐまぐ検索]に入力、検索の結果としてリストアップされたメールマガジンの中から、これはと思う翻訳関連の新メールマガジンを登録するのを常としています。

http://www.mag2.com/

今年の4月初旬だったでしょうか、あの時は半年間忙しかったので、実に半年振りに「まぐまぐ」を訪問したのです。早速、新しい翻訳関連のメールマガジンが出ていないかなと[まぐまぐ検索]を実行し、検索の結果として出てきた翻訳関連のメールマガジンの一覧表を眺めていくと、「勉強嫌いでも一流翻訳者になれる! 」というメールマガジンを見つけたのでした。一流翻訳者とまではいかなくても、そこそこのレベルの翻訳者を目指している私は、そのメールマガジンが謳っている「一流翻訳者」という文字に惹かれ、登録しました。そして暫くして届いたメールマガジンの、「在宅翻訳でさくさくっと月収60万円」という題が目に飛び込んできたのです。今時の在宅翻訳者で、月収60万円は当たり前ではないかと思いつつ読み進めていくと、著者の奥さんが特許翻訳者とのことであり、月に180万円稼いでいると書いてあります。月収100万円稼いでいる特許翻訳者を知っていましたが、倍近い月収180万円という金額には驚きました。単純計算で年収で2千万円です。最初、眉唾物だなあと思いながら読み進めていくと、同メールマガジンの最後の方に執筆者名が「水野雅之」と書いてあるのに目が止まったのです。水野という姓でピンと来たので早速調べてみたところ、特許翻訳者の水野麻子氏のご主人であることが分かりました。その瞬間、プロの翻訳者である水野麻子氏とパソコンのプロである水野雅之氏の2人が作ったものなら、産業翻訳者に役立つ翻訳ツールに違いない、と直感的に思ったのでした。次に、どうして月収180万円が可能なのかという点について知りたく、私は水野麻子氏のホームページを訪問してみたのです。

http://www.monjunet.ne.jp/CT/

一通り水野氏のホームページに目を通した私は、同ホームページに登場するCT(Cooperative Translation)を知り、これこそ自分が今までに探していた翻訳ツールであると分かったのです。そして、このCTというツールが月収180万円を可能にしていることが明らかでした。それならということで、いずれ自分もCTを購入し、自分の産業翻訳に活用しようと心に決めたのです。そうこうするうちに、水野雅之氏が2ヶ月ほど休んでいたメールマガジン「勉強嫌いでも一流翻訳者になれる! 」が発行されたのでした。久しぶりの水野氏のメールマガジンを読み進めていくうち、3つの特典付きで翻訳ツールを販売するという案内に目に止まりました。そうして水野氏に背中を押された形で私は以下のURLをクリックし、メールマガジンが発行された当日の6月23日、「辞書パックと導入パックのセット(税込79,800円)」を申し込んだのです。(ちなみに、今回の特典は7月24日18:00まで。まだ時間がありますので、これから産業翻訳を目指す方は検討するだけの価値はあると思います)なお、私がCTを皆さんに薦めるのは、産業翻訳の分野全体にわたって活用できるという確信を得たからですが、実際に入手する否は皆さん一人一人の責任で判断して下さい。

http://www.mizunomasayuki.com/order.htm

その後、漸くダウンロードした大量の資料の2回目の通読を一昨日終えました。また、その間に水野氏が主唱するCT方式も一部実際に試しています。そして、「CTは特許翻訳のみならず、他の分野の産業翻訳に使えるかもしれない」という当初の直感が、今では「CTは間違いなく大半の産業翻訳の仕事に使える」という確信に変わっていました。ダウンロードしたCTに関する大量の資料の中から、特に教えられたのがパソコンとの付き合い方、換言すれば今まで人間が行ってきた産業翻訳の仕事を、可能な限りパソコンに分担させるという新しい視点でした。今後としては、実際に産業翻訳の仕事を進めていく中で、試行錯誤を繰り返しながらCTを試用していき、徐々に私なりのペースでCTをマスターしていく予定です。CTマスターへの過程において、折に触れて本ブログに報告していく予定でいます。

さて、現時点において私がCTに対して抱いているイメージを述べるとすれば、産業翻訳者という名の職人さんにとって、己れの翻訳作業のスピードを数倍アップするだけでなく、同時に翻訳品質も向上させ、翻訳による収入も大幅に増加させる魔法の杖ならぬ魔法のツールであると思います。ただし、出版・映像翻訳などの分野の翻訳の場合は全く役に立たないツールもあることは、長年にわたって出版・映像翻訳、殊に雑誌の記事の翻訳に携わってきた人間として自信を持って断言できます。よって、CTの購入を検討している人は、自分はどのような分野の翻訳の仕事をしたいのかという見極めを行った上で、CTを入手するか否を判断すべきだと思います。繰り返しになりますが、CTはプロのソフトウェア技術者とプロの翻訳者のご夫妻による手作りの翻訳ツールであり、痒い所に手が届く翻訳ツールであることを強調しておきたいと思います。

一点だけ難点を挙げるとすれば、CTは何分にも新しい発想に基づいたものであり、今までの翻訳の仕事の仕方を根底から変えてしまうものであることからして、よほど根気のある前向きな翻訳者で、昔ながらの〝己れの持てる技術を全力で投入し、客に喜ばれるモノを造る〟のだという職人気質を持った翻訳者でないと、マスターは困難なような気がします。この点だけ、くれぐれもご注意ください。

ところで、フォートリーディングというのは科学的観点から見て素晴らしいものであり、いかにもアメリカ人好みのリーディング・スキルであると思いますが、所詮はそれまでのことであり、空海の持つ〝閃き〟・〝時空把握能力〟には到底及びません。フォートリーディングの場合、本を1ページ読むのに1秒もかかるとのことですが、空海の場合は瞬時に森羅万象を掴み取ってしまうだけの能力を備えていました。しかし、我々は空海と違って凡人に過ぎないのであり、フォートリーディングのレベルに達することができれば良しとすべきなのかもしれません。

http://www.lskk.jp/

CT(Cooperative Translation):プログラマーの水野雅之氏と特許翻訳者の水野麻子氏ご夫妻による手作りのマクロ集。産業翻訳に威力を発揮するマクロが揃っており、マスターすれば翻訳のスピード・品質・収入のアップに繋がる。詳細は以下のサイトを参照のこと。
http://www.monjunet.ne.jp/CT/

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2005年7月 6日 (水)

松本道弘

「松本道弘」という名前を耳にすると、二十代の頃に無我夢中で取り組んだ〝英語道〟を思い出します。ここで言う英語道とは、松本道弘氏が主唱した英語の習得方法であり、二十代の頃に英語をモノにしてやるという気迫で以て英語道の修業を積み重ねていた私は、友人の野良住人君が立ち上げた「異文化研究道場」に参加し、道場仲間と切磋琢磨して、英語力のみならず、さらには異文化に関する背景知識の習得にも努めたものです。松本道弘氏の英語道場も、当時は東京にありました。そこで、野良君が松本道弘氏に挑戦状を叩きつけようと持ちかけてきたので、私も松本氏への〝恩返し〟の意味で、賛成して作戦を立てたことがありましたが、残念ながら諸事情で実現には至りませんでした。仮に松本氏への挑戦が実現したとしても、松本氏と我々とでは剣の実力ならぬ英語の実力に雲泥の差があったのであり、それはあたかも田舎侍が塚原卜伝に挑戦するようなもので、今から思うに余りにも無謀極まりない挑戦でした。

その後は松本道弘氏の英語道場に数度通い、松本道弘氏の本の編集協力(『ビジネス現場の英語ハンドブック』)も体験しています。また、TOEICを去り、某電子部品メーカーの海外営業部にいた私に松本道弘氏から電話がかかってきたことがあります。前に勤めていたTOEICの北岡靖男と会いたいうので、取り次いで欲しいという依頼の電話でした。しかし、その後に実際に北岡氏と会ったという松本氏に尋ねたところ、「お互いの英語に対する考え方が平行線であった」と寂しそうに語っていました。また、私は松本氏との合宿にも参加したことがあり、その当時の写真が残っています。上記の『ビジネス現場の英語ハンドブック』の写真がそれで、2段目の真ん中に立っている横縞模様のセーターを着ているのが私であり、1段目の真ん中に坐っている紺の背広姿で赤色のネクタイをしているのが松本道弘氏です。

そうした次第ですので、私は松本氏の説く英語道にはかなりの影響を受けたのであり、懸命に英語道の修業に打ち込んだものでした。そのお陰で、当時の私の英語力はかなり伸びたと思います。しかし、何と言っても松本氏の英語道場生で良かったと思ったことは、松本道弘氏を通じて在米の藤原肇氏との接点を持てたということでした。藤原氏は『脱藩型ニッポン人の時代』という本を著していますが、同書の中で藤原氏の読者が西尾幹二について藤原氏に質問している下りがあり、その質問を行っている読者が私です。尤も、実際に藤原氏に会ったのは同書が発売されてから7年も後の1998年のことであり、初めて開催した脱藩道場総会に藤原氏を招待した時でした。なお、松本氏の英語道については、拙メールマガジンにも幾号かにわたって書いてありますので、関心のある方は目を通していただければ幸いです。例えば、以下のような号もあります。

【日本脱藩のすすめ】第10号「英語道事始」

折に触れ、私の英語修行中時代(実は、今も修行中の身です)について、英語道と絡めて述べていきたいと思いますので、関心のある人たちに引き続き読んで戴ければ幸いです

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2005年7月 5日 (火)

『翻訳に役立つ Google活用テクニック』

b050705 『翻訳に役立つ Google活用テクニック』(安藤進著 丸善株式会社)は、検索エンジングーグル(Google)の使い方について書かれたハウツー本であり、一応は翻訳者に的を絞ってはいるが、特に翻訳者ではなくても毎日英語の情報に接するビジネスマンにも役に立つ本です。姉妹書として、同じ著者の筆による『Googleに聞け! 英語の疑問を瞬時に解決』(丸善株式会社)も出ているが、『翻訳に役立つ Google活用テクニック』に目を通した人には少々物足りないかもしれません。しかし、インターネットに接するようになって日も浅いという人たちにとって、『Googleに聞け!』は格好の「グーグル入門書」であると思います。

ところで、過日も述べたように、私はイカロスという会社の「日英特許翻訳 入門コース」という通信教育の受講を開始したばかりですが、「日英特許翻訳 入門コース」のテキストに何となく違和感を抱いていました。テキストの何処に違和感を感じるのかと思っていたら、最近同テキストで英文百科事典についての記述を読み、どうして違和感を感じていたのかという理由が分かったのです。単刀直入に言えば、テキストに書かれている情報が古いということに尽きます。

ライナ: liner です。上記の段ボール同様、関連の英文資料を探すことで訳語を見つけることができます。あるいは、英語版のVisual Dictionaryなどから段ボールの構造に関するページを参照してもよいでしょう。百科事典の代表格であるBritannica Encyclopediaでは、papermaking(製紙)の項目を読むと liner が出てきます。英文の百科事典は参考資料としては見逃せない存在で、和英辞典や日本で造られた専門辞書などからは探しにくい用語を調べたいときには重宝します。
『日英特許翻訳 入門コース Second』p.36

イカロスの「日英特許翻訳 入門コース」に掲載されている、最新の公開公報番号が平成11年(1999年)であり、グーグルが日本で広く知られるようになったのは2000年9月以降であるという2点から考えるに、同社のテキストは1999年後半~2001年前半の間に作成されたものであるものと思ってほぼ間違いないでしょう。もし、2001年後半以降に作成したテキストであれば、特許翻訳者に限らず、大勢の翻訳者から高い評価を受けているグーグルについて詳しく記述してあっても可笑しくないはずなのに、何処にもグーグルの威力についての記述が見当たらないのです。もしかしたら、単に私が見落としているだけなのかもしれませんが、少なくとも全部で6冊あるテキストの内、最初の2冊に関しては詳細なグーグルの威力に関する記述は無いようです。

また、今回取り上げた『翻訳に役立つ Google活用テクニック』自体にしても、発行が2003年10月15日と2年前であり、それ以降グーグルに加わった新機能については、当然のことながら取り上げていません。例えば、「ディスクトップ」というグーグルの新機能などです。ちなみに、「ディスクトップ」とは、自分のパソコンのハードディスクに格納してあるファイルを一瞬のうちに検索してくれる優れモノであり、秀丸(テキストエディタ・ソフト)のgrep機能に似ています。「ディスクトップ」の詳細については、直接グーグルのホームページで確認してもらうとして、インターネットの世界は日進月歩の勢いで進化していることを改めて実感したものです。
http://www.google.co.jp/

ところで、拙宅には大分前に購入した書籍版のブリタニカ百科事典(英語)がありますが、記憶では確か30万円前後したと思います。しかし、現在では翻訳作業時に紐解くことは全くなくなりました。1枚のDVDに収められているというブリタニカ百科事典(英語)も発売されていますので、それを入手してパソコンにインストールしてもいいのですが、現在のところグーグルで十分間に合っているので購入する気持ちが起きません。
http://www.britannica.co.jp/hometop/nenkan-e/

ご参考までに、『翻訳に役立つ Google活用テクニック』についてアマゾン・ドットコムに載っていた書評で、印象的な書評を幾つか取り上げておきます。

狭量な私はこの本をライバルに見せたくないと思ってしまったほどだ。

この本によって翻訳者の調査活動の意義が変わり、その範囲が飛躍的に拡張したと思います。

『翻訳に役立つ Google活用テクニック』には思い出があります。現在はJTF(日本翻訳連盟)の専務理事を務める高崎栄一郎氏が、STC(Society for Technical Communication)の翻訳学習会の座長を1年ほど前まで務めていました。私も1年半前に同翻訳研究会に出席し、数年ぶりに高崎氏にお会いしています。2回ほどSTC翻訳学習会に参加しましたが、最初に参加した時の講師は技術翻訳者の山本治男氏、その次に参加した時の講師が佐藤康夫氏であり、テーマはそれぞれ富士通のアトラスを駆使した英文和訳(山本氏)および和文英訳(佐藤氏)についてでした。その後の会合が安藤進氏を招待してのグーグルについての講演会だということを知り、高崎氏に次回も参加したい旨伝えたのですが、生憎仕事の〆切に間に合わなくなる恐れが出たために、学習会の数日前になって参加を諦め、代わり出版されたばかりの安藤氏の『翻訳に役立つ Google活用テクニック』を購入したという思い出があります。その安藤氏ですが、過日久しぶりにJTFのホームページを訪問したところ、JTF主宰の安藤氏の講演会が、「効率改善:ネット検索で翻訳の品質向上を目指そう」というテーマで行われるということを知りました。グーグル検索術に関心を持っている方は、この機会に参加されると良いでしょう。