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2009年9月 4日 (金)

翻訳者として生き残りをかける

昨年の9月16日にリーマンブラザースが倒産してから、早くも1年が経とうとしています。あの当時の筆者の予測として、1年後の今頃はアメリカが国家破産して、本当の世界大恐慌に至ると予測していました。幸い、未だアメリカの国家破産には至っていないものの、先々週にお会いした某国際政治ジャーナリストが、「来週(8月24日の週)にもアメリカの銀行業務が停止に追い込まれる恐れがある」と語っていました。結果として、先々週の銀行業務の停止はありませんでしたが、依然として世界経済は緊迫した状況下にあることに変わりはありません。よって、日本への食糧輸入がストップしたなどといった最悪のケースも考えて、一家で食べていけるだけの畑を家の庭か近所の空き地に確保したり、それだけの畑がない都会の人たちは実家のある田舎に戻ったり、田舎に移住することを検討すると良いかもしれません。

ともあれ、昨年のリーマンブラザース倒産以来、日本人の翻訳者が集う掲示板などでは、仕事量が過去にないほど落ち込んだとか、翻訳会社から翻訳料金の値下げを要求されたとかで、伝わってくるのは暗いニュースばかりです。筆者の場合も、日本語版の『Forbes』の記事翻訳を数名の翻訳者グループで請け負っていましたが、今月の25日に発行される十一月号を最後に休刊となり、日本語版『Forbes』は最早ありません。これで、現在お付き合いのある日本国内の翻訳会社は2社のみとなりました。この2社の場合、レートは良いのですが仕事量は多くはなく、せいぜい2社合わせて小遣い銭ていどの稼ぎにしかなりません。

それでも、筆者の場合、昨年のリーマンブラザース倒産から1ヶ月間ほどは仕事が激減したものの、その後は前年並み戻り、現在では猫の手も借りたいほど忙しい毎日を過ごしています。これは何も筆者が翻訳力に優れているとか、誰にも出来ない特殊分野の翻訳を承っているといった理由ではなく、次のことを実践しただけにすぎません。すなわち、(1)日本だけではなく、世界中の翻訳会社のトライアルを受け採用されたこと、(2)Trados(トラドス)を入手して一応使えるレベルに達したこと、(3)世界最大の翻訳者の組織であるProZ.comに登録したことの3つです。

そのおかげで、現在はどうにか一家を養っていけるだけの稼ぎを出していますが、近い将来において世界大恐慌が襲来したら、食糧を確保するといったことなどが先決問題となり、、とても仕事どころではなくなるでしょう。

ともあれ、リーマンブラザース倒産に象徴される旧資本主義の崩壊前も後も、現代人の生殺与奪の権を握っているのは依然としてアングロサクソンの支配層なのですが、このあたりは別の機会に述べたいと思います。

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コメント

たにさん、お早うございます。

リーマンブラザース倒産以降の世界動向について、書きたいのは山々なのですが、当面は本業に追われる見込みであり、いつの日になることやら…。猫の手も借りたいところですが、拙宅の雄猫は一年前からフーテンの寅さん(雄猫によっては、数年旅をする習性が有るらしいと、隣町に住む叔母が過日教えてくれました…)をしているので、(彼)の手を頼ることは出来ません…T_T

でも、小生が書こうとしている内容は以下のブログの記事で大体表されています。ご参考まで。
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/08/16/4520456
グローバリスト vs 今西錦司「棲み分け理論」


ともあれ、遠慮することはありません。ProZ.comではドンドン暴れましょう。それだけ世界中の翻訳会社から注目され、良い仕事をゲットできる確率が高まります。武運長久を祈ります。

投稿: サムライ | 2009年9月16日 (水) 午前 07時59分

サムライさん、こんにちわまだまだ仕事らしい仕事は入ってきませんが、師匠(勝手にそう思っている)にご助言いただいた通り、PROZ.comで暴れています
当初、PROZのようなサイトは登録して仕事をもらうだけだと思っていたのですが、世界中の仲間がたくさんいることが励みとなり、とても良い場所となっています。皆互いにライバルではありますが、情報を共有したり、
トライアルは会社によっては結構ボリュームがあり+この前同時に5社以上に応募をしてしまったために、今結構大変なことになっています
上記ブログの最後の部分に関連して、世界の50%の富をわずか1%の人間が握っているのだとか。そのうちの多くが支配層保有資金なのでしょう。アメリカの大統領がアングロサクソンではないため、今までとはホワイトハウスとウォールストリートの関係が変わっているのでしょうね。

投稿: たに | 2009年9月16日 (水) 午前 07時26分

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