『古事記』序
このたび、新たに古事記シリーズを立ち上げることにしました。最初に、筆者と古事記との関わりを簡単に述べておきます。
■古事記を初めて手にした、高校時代のほろ苦い想い出…
筆者は高校三年生の時、二週間ほど九州一周の旅を体験しています。高千穂も訪問地の一つに入れていたので、九州に発つまでに『古事記』に目を通しておこうと、購入したまでは良かったのですが、如何せん内容が当時の自分には余りにも難解だったこともあり、結局20~30ページほど読んだだけでギブアップ…。その後は、古事記とは縁のない生活を長年にわたって送っていました。また、古事記とは単に権力者が都合の良いように書いた、「偽書」に過ぎないと、当時の筆者は信じていたのです。
■サラリーマン生活から足を洗うと、古事記の方から筆者に近づいてきた…
筆者は1998年に一部上場の電子部品メーカーを辞め、フリーランス(翻訳)になりました。もし、あの時に会社を辞めていなかったら、今でも古事記は偽書であるという固定概念に縛られたままだったかもしれません。しかし、正社員という安定した地位を投げ捨て、フリーランス(翻訳)という道を選択したことにより、サラリーマン時代には考えられなかった世界の人たちとの多くの出会いを、矢継ぎ早に体験したのでした。そうした中、5年後の2003年に大きな転機が訪れます。その日は忘れもしない2003年(平成15年)3月15日(土)、東京都内にある栗原茂氏の自宅を初めて訪問した時でした。初めての出会いであるのにも拘わらず、栗原氏は親切にも2時間にわたって色々と語り聞かせてくれたのであり、その時の話は今でも鮮明に覚えているほど印象深いものでした。なかでも古事記の話は強烈でした。
爾来、「古事記」について筆者なりに色々と調べてみました。中でもユニークな古事記の解釈本だと思ったのは、山田久延彦氏が著した『真説 古事記』四部シリーズです。技術屋である自分にとって、同じく技術屋である山田氏の古事記に関する諸説は、奇想天外な説ではあるものの、非常に面白い内容のものが多かったのでした。たとえば、銅鐸は古代のコンピュータである、といった山田氏の主張などです。ともあれ、いつの日か自分なりに山田説を咀嚼して、自分のアイデアも加味して、ブログにでも発表したいと思っていたほどです。
しかし、後になってさらに凄い本に出合います。それは、『百人一首の魔方陣』(徳間書店)を著した太田明氏の『日本古代遺跡の謎と驚異』(日本文芸社)と、『古代超文明の謎と驚異』(日本文芸社)でした。詳しくは同書を紐解いていただくとして、同書の凄い点は、日本の古墳、エジプトのピラミッド、英国のストーンヘンジを、地球幾何学の観点で結びつけることが出来るという実証をした古書こそが、記紀、万葉集、風土記に他ならないと喝破したところにあります。『日本古代遺跡の謎と驚異』の裏表紙を見ると、以下のような下りが目に飛び込んできますが、読者の皆さんはどう思われるでしょうか。
人類の歴史は太古に仕組まれた、ある計画に沿っていた!
もしもある日突然に、「人類の歴史は、太古に仕組まれた、ある計画に沿ってつくられてきた」との結論を得たら、あなたはどう反応するだろうか? 現実から遊離した、まるで空想の世界を漂うような感覚を覚えるのではないだろうか。私自身、自分の研究がよもやそのような世界の扉を開くことになろうとは、夢にも思わなかった。しかし、この十数年間の研究を通じて積み上げられてきた成果によると、そう結論せざるを得ないのである。「われわれの歴史の進路を方向づけようとした意思が古代に働いていたこと、そして、その意思に沿って人類が活動してきた」ことを、まさに私の研究は論理的に証明しているのだ。
本書は一般向けに書いたものであるから、わずらわしい数学的部分はできるだけはぶき、結論の重要な部分のみを記述し、それらの根底に潜む、太古の人間の構想を浮かび上がらせることを主眼とした。とくに地球規模で広がる彼らの事業の、その意味を解く鍵となる日本の遺跡の解明に力点を置いた。
このように、ますます古事記の世界にのめり込んでいった筆者は、最近になって上述の栗原氏が古事記の勉強会を来春から始めるということを知り、現在は準備段階として行っている月2回の古事記(ふることふみ)の誦習会に参加することにしたのです。そうした中で知り得た、従来にない古事記の世界を少しずつ本ブログにアップしていきたいと思います。たとえば、アラスカ州ガコナのハープの研究者が、現在『古事記』を解読しようと血眼になっているといった話です。古事記には現在、さらには未来の技術も織り込まれているというのが栗原氏の主張であり、筆者も最初は半信半疑でしたが、すでに山田久延彦氏や太田明氏の書籍に目を通してきたこともあって、かなり免疫が出来ていたのでしょう、今では素直に栗原氏の話に耳を傾けることができるようになりました。
なお、古事記シリーズを始めたものの、何分にも翻訳業という時間を取られる生業をしていることから、筆の進め方としては古事記という主テーマを中心に、エッセイ風に自由に書き連ねていく形をとりたいと思います。気まぐれな性格のため、次回の投稿はいつの日になるやら…(苦笑)
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コメント
サムライさん へ
前略
> 以降の投稿は公開しませんのであしからず。p助さんのブログを楽しみにしています。
すみませんでした。 成り行き上このようになりました。
私のメル友も、サムライさんのブログ全般を拝読させて頂き、サムライさんの視点の鋭さ、感性の良さ、人柄を誉めておりました。
サムライさんの御健勝をお祈りいたしております。
取急ぎ、お詫びまで。
P助 拝
投稿: P助 | 2010年6月12日 (土) 午後 07時35分
p助さん、上の投稿(↑)以降もp助さんの投稿が続々と届いていますが、今までの投稿内容を見るに、ご自身でブログを立ち上げるべきであり、他人のブログの使用限度を超えています。以降の投稿は公開しませんのであしからず。
p助さんのブログを楽しみにしています。
サムライ拝
投稿: サムライ | 2010年6月12日 (土) 午後 01時46分
サムライさん へ
P助です。
早速のご返事有難うございました。
サムライさんの思慮深いご返事、ごもっともです。
勝手な提案をして申し訳ありませんでした。 お詫びいたします。
それから、おそらくこの投稿を読んでおられると思います、姫様と上沼のそっくりさんに、
お2人の了解なしに私の独断でこのような事を提案した事をお詫びいたします。
気持ちだけ伝われば幸いです。
そして、「古事記序」のコーナーで、お2人と意見交換出来る日を楽しみにしています。
> 政体について蜂の巣をつついたような騒ぎになっていますが、上次元の国体(皇室)から見れば単なるコップの中の嵐に過ぎないことは一目瞭然です。
確かにその通りかもしれませんね。
海上は強風大波の嵐でも、海の底は静かなものです。
以上、サムライさんと、姫さん・上沼そっくりさんへのお詫びまで。
投稿: P助 | 2010年6月11日 (金) 午後 05時15分
p助さん、再び投稿を有り難うございます。
最初に、愚生のブログの中に、「歴史愛好家の広場のようなコーナーをつくられては」というご提案、きっぱりとお断りします。その理由は、p助さんも小生も生活の糧を稼ぐのに忙しく、仮にそのようなコーナーを設けても管理していく余裕はないからです。管理者がいないと、結局は飯山一郎さんのような野放図な掲示板、あるいはコーナーになってしまうのが関の山です。
http://grnba.bbs.fc2.com/
ただ、911事件は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という一神教の時代の終わりを告げ、これからは21世紀を切り啓く(拓く)のは女性、すなわちアニミズム(多神教)という女性の心を持つ世界であることは間違いないと思います。そのあたりを数本に分けて記事にしたいのですが、どうも時間が取れそうにありません。ただし、大切なことなので、いつの日にか記事にしたいという思いはあります。
ともあれ、アチコチのブログや掲示板で管がどうの亀井がどうのと、政体について蜂の巣をつついたような騒ぎになっていますが、上次元の国体(皇室)から見れば単なるコップの中の嵐に過ぎないことは一目瞭然です。このあたりも時間があれば一度記事にしたいですね。
では、以降は仕事に専念させていただきます。
投稿: サムライ | 2010年6月11日 (金) 午後 04時20分
サムライさん へ
ご多忙の事とお察し致します。
さて、マヨさんの読者の方から、私にメールが来ました。
この方は、読むだけであまりコメントしない人のようですが、姫さんと上沼そっくりさんの読者ファンのようです。
メールの内容は、「P助さん、姫さんと上沼そっくりさんがマヨさんのブログで・・・」という内容でした。
マヨさんのブログは、「イデオロギーを超越した超党派の歴史愛好家・研究家のブログ」という認識で私も時々コメントしていますが、なかなか難しい面もあるようです。
私がブログを作っていれば、研究・情報交換の場を設けるのですが、なにしろ多忙の為、管理する時間と余裕がないので作れません。
そこで提案ですが、サムライさんのブログの中に、「彼女たちが自由に発表できるコーナー」 例えば、歴史愛好家の広場のようなコーナーをつくられては。
私が大事にしたいのは、『女性の感性の歴史研究』です。これは貴重なものだと考えております。
そして、『女性(天宇受売神 アメノウズメノカミ)が踊らなければ、天の岩戸は、開かない』です。
一週間に1行か2行のコメントでも、塵も積もれば山となるで、やっていればなにか成果が出ると思います。 私も月に2~3回くらいしかコメント出来ないかもしれませんが、事情の許すかぎり参加させて頂きます。
勝手な提案でご迷惑かもしれませんが、考慮して頂ければ幸いです。
尚、冷やかしや邪魔する者の対策は、必要かと思います。
以上宜しく。 姫さんと上沼そっくりさんの1ファンのP助より
投稿: P助 | 2010年6月11日 (金) 午後 12時58分
姫様、こんな過疎なブログに訪問してくれて有り難う…!
そんな姫様にお年玉です。マヨさんの所で「聖徳太子の斑鳩宮造営」について言及されていましたが、竹本忠雄の著した『天皇霊性の時代』(海竜社)で取り上げています。御時間のあるときに一読ください。
今年もよろしくお願いいたします。
投稿: サムライ | 2010年1月 1日 (金) 午後 01時47分
明けましておめでとうございます。
いつも情報を有難うございます。
今年は、サムライさんの『古事記』研究発表を楽しみしていますね。
今年も宜しくお願いします
投稿: 姫 | 2010年1月 1日 (金) 午後 12時48分
p助さん、こんにちは。
了解です。では、書きまとめてアップするか、明明後日会う予定の関係者の了解を得て資料をメールに添付して送るかの、いずれかにします。
投稿: サムライ | 2009年12月 8日 (火) 午後 12時55分
サムライさんへ
> 上京する機会がありましたら、・・・・色々と情報交換を行いましょう。
機会がありましたら、宜しくお願いします。
さて、来春から始められる「古事記勉強会」のコンセプトのようなものを知りたいのですが・・・
要点だけ、暇な時にでも書き込んでおいて頂ければ幸いです。
投稿: P助 | 2009年12月 8日 (火) 午後 12時16分
p助さん、お早うございます。
今までのマヨさんとp助さんとのやり取りを見るに、相当深く古事記について研究していることが推測できました。また、四国と吉野とが、某根底で結びつくことは仰せの通りです。実は、現在も伊予を中心に、四国について栗原氏から色々と教わっています。
p助けさん、上京する機会がありましたら、当方の古事記メンバーをご紹介します。古事記を巡って色々と情報交換を行いましょう。その日を楽しみにしております。
サムライ拝
投稿: サムライ | 2009年12月 7日 (月) 午前 11時03分
おはようございます。 P助です。
サムライさんのブログを、最初に見た瞬間に感じた事は、『教育の原点は古事記にあり!』でした。
私は、「言霊学」で古事記を勉強・研究していますが、みなさんが言われる以上に、ワンダフルな意味での「SUPERとんでも本」だと確信しています。
さて、サムライさんは翻訳家との事で、それを意識してか読売巨人軍の長嶋さんのような表現の文章になりました。 何でだろう?
「今夜は、友人とカラオケに行って、ソングをシングしようかな…。」
それでは、お仕事に、古事記学習に頑張って下さい。
投稿: P助 | 2009年12月 7日 (月) 午前 08時01分
清水さん、投稿有り難うございました。
これから、色々と古事記の世界にメスを入れていこうと思いますので、応援願います。また、是非山田氏や太田氏の本にも目を通して戴ければ幸いです。
栗原氏の古事記の講座は来春(2010年4月)にスタートであり、その年の暮れか再来年の春には、栗原氏の第五部本として出版されると思います。ちなみに、第四部は情報誌「みち」で、現在連載中のガコナハープと家紋になります。
投稿: サムライ | 2009年10月 5日 (月) 午後 08時23分
サムライ様、こんばんは。マヨさん家では、御世話になっております。清水次郎も、実は『隠れトンデモ』でした。『古事記』でこんなにもドキドキさせていただけるとは思いもしませんでした。楽しみに待っております。
投稿: 清水次郎 | 2009年10月 5日 (月) 午後 07時59分
マヨさん、こんにちは。
古事記のポイントは登場する百以上の神々の持つ、それぞれの役割を知ることだそうです。小生のイメージする古事記の神々は、山田久延彦氏の書籍で知った神々のイメージが中心となりますが、栗原氏の講話を通じて、それをどのように修正することになるのか、今から楽しみです。
本格的に古事記について執筆するのは、来春からになります。よろしく
投稿: サムライ | 2009年10月 1日 (木) 午後 02時23分
サムライさん、こんにちは。ようやくやる気になっていただいたようでまことに喜ばしい限りです。私もトンデモに関しては専門であり、少々のトンデモは免疫ばっちりです。その私を、「まさかー、そんなー、それトンデモですよ。」と言わせるような説をお待ちしています。古事記にそのような内容が書かれているとしたら、古代に現代以上の文明が存在し、(方舟で)生き残った何者かが今にそれを伝えた事になります。可能性としては十分にあります。ただし、不親切な人ですね。もうすこしわかりやすく書いて欲しいものです。
投稿: mayo | 2009年10月 1日 (木) 午後 01時30分
姫様からコメント戴き、大変光栄です。
ふることふみ(古事記)の誦習会には、5月あたりから参加しています。それでも小生は頭が悪いので、未だに古事記の上巻の全てを覚え切れない劣等生です(トホホ…)。それでも、頑張って風呂に入っているときとか、トイレにいるときなど、「あめつちのぉ~、はじめのときぃ~、たかまのはらにぃ~、なりませるぅ~…」という具合に頑張っています。
太田明氏の本は既にトンデモの範疇を脱しており、何人も否定できない神の数字で実証されていることから、小生は100%信じています。山田久延彦氏の場合は、まだ眉唾ですが…(
)。
ともあれ、来春から始まる栗原茂氏による古事記の講座までに、古事記の上巻を諳んじて声に出して云えないと入門を認められないので必死です。受験勉強も、このくらい必死でやるべきでした…
兎も角、世の中では知られていない古事記の裏の世界、支障のない範囲で公開していきます。来春をお楽しみに。
投稿: サムライ | 2009年9月30日 (水) 午前 11時24分
おはようございます。
マヨさんの所ではお世話になってます。
私は、30年位前の『古代史を解く三角形』で「古事記」が測量日記だった!
という大谷幸市氏の本を読み興味を持ちました。
その中で太陽の道、大和三山、山伏と測量技術者など・・・
当時としては、トンデモ論に入るかもしれませんが、、、
山田氏や太田氏の本など、”トンデモ”と言われそうな他の本も買いあさってましたねー。
それが今頃役立っているなんて、時代が追いついてきたのでしょうか!?
栗原氏の古事記の勉強会があるのですね。
サムライさんの『古事記』楽しみにお待ちしてますわ~^^
投稿: 姫 | 2009年9月30日 (水) 午前 10時56分