« 「フルベッキ写真」に関する調査結果 | トップページ | 西郷隆盛 »

2007年1月16日 (火)

グローバル化する翻訳の仕事

私の場合、2年ほど前までは専ら日本国内の翻訳会社から仕事を承っていましたが、最近は海外の翻訳会社と契約して仕事を承ることが多くなりました。ちなみに、現時点において契約している海外の翻訳会社には、イギリス(3社)、チェコ(1社)、タイ(1社)などがあり、今年はさらに増えそうな予感がします。さらに、自動車分野の翻訳(日英・英日)を承ることの多いA社(日本国内)の場合、ヨーロッパなどに支社があり、私が承る仕事も同社の支社を介して届くわけで、見方によっては“海外の翻訳会社”から翻訳の仕事を承っていると言えなくもありません。

海外の翻訳会社との取引が増えているという傾向は何を意味するのかというと、パートナーとしての翻訳会社の対象が日本国内から全世界に広がったことを意味し、それだけ翻訳の仕事を獲得するチャンスが増えたことになりますが、同時にそれは世界中の翻訳者同士での競争の激化に結びつきます。それでも、英日翻訳に関しては日本語を母語としない海外の翻訳者に対しては勝てる自信があるものの、海外に住む日本人の翻訳者や日本語を母語とする翻訳者とは互いに競争ということになります。逆に、日英翻訳の場合は、よほど分野を絞るのでなければ英語を母語とする翻訳者には太刀打ちできません。私は日本で生まれて育った人間なので、英語を母語とする翻訳者の書く英語に太刀打ちできないのも当然といえば当然と言えます。

なお、海外や国内のウエブサイトには、翻訳の仕事を獲得する場を設けているサイトもあります。これから海外にも取引先を増やそうとする翻訳者の方は、一度アクセスしてみてください。

■海外
ProZ:翻訳者の翻訳者による翻訳者のための仕事斡旋サイト。メンバー(有料)になって一年経ちますが、実際に翻訳の仕事をイギリスなどから獲得しているし、Prozに掲載している私のプロフィールを見て個人的に仕事の打診をしてくる翻訳会社も多い。世界中の翻訳会社と翻訳者とを結んでくれる貴重なサイト。

Aquarius
ProZと似たような仕事斡旋サイト。一年ほど前にメンバー(無料)になった。仕事を獲得したことは未だないが、私宛てに直接仕事の打診をしてくることが時々ある。いずれ仕事の獲得にも結びつくと思う。

PeopleWords
個人が立ち上げている仕事斡旋サイト。半年ほど前に登録済み。同サイトを通じて仕事を獲得したことは未だない。印象として翻訳料金が安いのには引っかかる。

★★その他にも以下の団体の会員(有償)となって仕事を獲得する方法もあります。

Institute of Translation & Interpreting

American Translators Association

■国内
翻訳者ディレクトリ:無償の仕事斡旋サイト。個人的には当サイトが一番のお気に入りであり、仕事を獲得したことも多い。今でも時々チェックして、これはと思った翻訳会社に積極的にアプローチをかけている。

翻訳パラダイス:翻訳者ディレクトリと同様に無償の仕事斡旋サイトであり、このサイトも気に入っている。。翻訳パラダイスのオーナーとは知己なので親しみを感じるし、実際に翻訳パラダイスに登録しておいた私のプロフィールを見て、仕事の打診をしてきた会社も数社あり、有り難いことに全て受注に結びついている。

トランスマート:これは翻訳会社が運営している仕事斡旋サイト。私も大分昔に登録済みであるが、今まで一度も仕事を承ったことはない。その理由は翻訳料金が安すぎるからである。しかし、料金的に納得できる仕事があれば、経験のため一度はトランスマートの仕事を承ってみたいと思う。

翻訳者カテゴリーサイト:2年ほど前に登録しているが、多忙であったため同サイトのトライアルを受けたことはない。機会があれば同サイトのトライアルを一度受けてみたいと思う。

★★その他にもアメリアという翻訳会社が運営する仕事斡旋サイトもあります。ただし、アメリアの場合は芳しくない評価の投稿もあります。参考までに問題の投稿を以下に転載しておきましょう。

◆質問 こんにちは
在宅でできるアルバイトを探していたらアメリアという翻訳の仕事ができるサイトを(?)を見つけたのですが、そのページの情報を見ただけではいまいちよくわからなかったんです。
在宅ワーク紹介のサイトのほとんどにはそのアメリアが載ってるのですが、、アメリアのサイトを見る限りではただ"翻訳家になるためのノウハウを教え、求人情報をを提供する"だけのように思えるんです。
実際の所どうなんでしょう??アルバイトととしてすぐに仕事が与えられてばりばりこなせるようなものなのでしょうか??
どなたか教えてください。
◆回答

こちらに実際に翻訳を仕事とされている方のページがあります

http://www.eigodeshigoto.com/blog/

この中にアメリアの記事もあります。いわゆる内職商法では無いのかもしれませんが、かなり仕事をもらうまでのハードルは高く、必ずしも業界の評判は良くないようです。少なくともあなたが期待されている「すぐに仕事が与えられてばりばりこなせる」ような生易しいものでは無いようですね

ただ、それにもかかわらずネット上のアメリアの勧誘広告には、「誰でも出来る!」「英語の知識がなくても心配することはありません」「どなたでも気軽に始められるお仕事」などの甘い勧誘トークが踊っています。これは、まず勧誘ありきの非常に不誠実で信用しにくい業者であると思います。少なくともこの点において、いわゆる悪徳業者と断言しても間違いではないと私は思います

今後のために覚えておいていただきたいのですが、悪徳内職商法の業者はいくつかの共通点があります

まず仕事をするために1円でも要求する業者は確実に悪徳です。さらに資料請求をさせるのも悪徳の共通点です。これは今後勧誘するカモ候補の個人情報を集めることが目的だからです。また初心者歓迎などと宣伝したり、仕事をするために資格取得をさせるのも悪徳業者です。この不景気の社会には、優れた能力や経験や資格を持っていても無職の人が溢れています。わざわざ素人を募集して教育してから仕事をさせる必要など全く無いのです

それと意外かもしれませんが、これまで見てこられたような在宅ワーク紹介のサイトや、折込ちらし、雑誌広告などで簡単に見つかる仕事は、全て悪徳と考えてください。実際には在宅の仕事が広告などで勧誘されることはほとんど無いからです。勧誘するほど仕事はたくさん無いのです

もし本気で在宅の仕事を探されるなら、実際に在宅の仕事で収入を得ている方をご近所で探して、仕事を紹介してもらうのが一番確実な方法でしょう

しかしほとんどの在宅の仕事は驚くほど収入が少なく、しかも仕事量は不定期で不安定です。もし収入が目的であれば、普通のパートやアルバイトのほうが、はるかに簡単に確実に高額の収入を安全に手にすることが出来ると思いますよ

しかし、私は日本翻訳連盟が毎月行っている翻訳環境研究会(フェローアカデミーで毎月行われている)の書記を一年間務めていたことがあり、その関係でアメリアの母体であるフェローアカデミーの理事長・林さんとも幾度か会っており、人柄をよく知っているだけに上記の投稿は俄には信じられません。実際にアメリアのメンバーで、かつアメリアの現状について情報をお持ちの方は御一報願います。

その他、以下の団体の会員(有償)となって仕事を獲得する方法もあります。

日本翻訳連盟

日本翻訳者協会

日本翻訳連盟(JTF)の場合、一年間ほどメンバーだった時期があります。そのJTFで専務理事を務めたことのある高崎栄一郎さんは、今でも私が尊敬する数少ない翻訳者の一人です。

追伸

アメリア事務局のイナダ様より、上記の「教えて!goo」に対して処置を講じた旨の連絡がありましたのでお知らせ致します。詳細は[コメント]を参照願います。イナダ様、お忙しい中ご連絡頂き有り難うございました。2007年8月10日・サムライ拝

|

« 「フルベッキ写真」に関する調査結果 | トップページ | 西郷隆盛 »

コメント

望月様

アメリアについてのご意見有り難うございました。アメリアの母体であるフェローアカデミーの故林氏とは、過去に幾度かお会いして言葉を交わしているだけに、その後ネットで飛び交ったアメリア誹謗の噂が俄には信じられず、上記のような記事を紹介した次第ですが、実際に望月さんのようにアメリア会員の情報は貴重ですね。これで安心して入会される方が増えるのではないでしょうか。今後ともどうかよろしくお願いします。

投稿: サムライ | 2010年1月 2日 (土) 午前 05時20分

アメリアで検索していてたどり着きました。

1年ほど前に入会しておりますが、悪徳商法という印象はまったくありません。ネット上で時に目にする宣伝文句は、アメリアが某アフィリエイトサイトの登録企業なので単に「金稼ぎ」のために内容をよく知らない人が個人のサイトで宣伝文句を記載しているためです。

私もそのような宣伝を初めて目にしたときは怪しいと感じたのが正直な気持ちですが、実際に企業サイトをよく読むことでその印象はすぐに取り除かれました。

翻訳というのは、「実績」がものをいう仕事なので、募集に応募したり斡旋サイトに登録したりする際にその「実績」が必要になります。しかし、「これから翻訳者として頑張りたい」という実績の無い人たちはそれが不可能なので、どうしてよいかわからない状態に陥っているわけです。

しかし、アメリアという場所では、そうした人に「実績」に匹敵するトライアルの場所を提供し、それに合格することですでに実績がある人と同じ実力があるという肩書きをくれるんですよね。

その結果としてアメリアを通した募集には経験がなくても応募できることになりますし、プロフィールを見た企業から直接連絡をもらえることもあるんです。まったく連絡がなかったという方は、失礼ですが元々実力の無い方なのではないかと思います。

アメリアはあくまでも、実績の無い翻訳者の卵たちに今後どう頑張ればよいかというヒントをくれる場所です。すでに活躍していらっしゃる翻訳家の皆さんから見ると胡散臭いという印象もぬぐえないのかもしれませんが、これから頑張りたいという方にはお勧めの企業です。

投稿: 望月かおり | 2010年1月 2日 (土) 午前 12時42分

突然の書き込み失礼いたします。アメリア事務局のイナダと申します。

こちらのblogでアメリアを話題にしていただき、ありがとうございました。
blog本文で取り上げていただいた「教えて!goo」の質問&返答についてですが、
返答内容が事実と異なり「教えて!goo利用規約」にも反することから、
運営側に削除対応していただきました。

返答の中で話題に上がっている勧誘広告は、アメリアが出しているものではございません。
以前、一部のアフィリエイト提携サイトで誇大広告と誤解されかねない内容を掲載している
サイトがありましたが、それにつきましては提携を解除するなどして既に対処させていただきました。
こちらの対応が遅れたこともあり、皆さまに誤解と不安を生じさせてしまったことを
心よりお詫び申し上げます。

もし可能であればお願いがあるのですが、
当該する「教えて!goo」の返答は事実ではなく削除対応となった旨をblog本文にも
追記してしていただけますと大変助かります。
こちらからの一方的なお願いになり恐縮ですが、ご検討いただけますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: アメリア事務局:イナダ | 2007年8月10日 (金) 午後 05時56分

コメントありがとうございました。

永江さんはホームページをお持ちということでアクセスしてみたところ、永江さんが「翻訳会社 翻訳のサムライ」のオーナーであることを知りました。実は、「翻訳会社 翻訳のサムライ」には数度アクセスしたことがあるのですが、その理由は知人の翻訳者Iさん(女性)が「翻訳会社 翻訳のサムライ」に登録しているからです。現在、私はIさんと某経済誌の翻訳グループで一緒ですし、Iさんが契約している精密機器メーカーで時々コレポンのお手伝いをさせて頂いているだけに、本当に翻訳者の世界は狭いものだと思いました。

私の場合、スタート時点で翻訳関連の詐欺に出会うこともなかったのも、Iさんも所属していた翻訳者や翻訳者の卵の勉強会という場でプロの翻訳者から仕事を紹介してもらったり、JTF(日本翻訳連盟)の翻訳環境研究会の書記を自ら1年間担当し、それを通じて声をかけてくれた翻訳会社から仕事を承るようになったことが大きかったと思います。

その後は独自に得意先を開拓してきましたが、一度翻訳料金の支払いが危なかった会社がありました。その時はメール・電話で徹底的に抗議し、最終的に支払いまで持っていきました。今後もそうした翻訳会社に出会ったら、堂々と社名を出して本ブログで徹底的に叩くつもりでいます。また、私は以下のサイトのメンバーですので、悪徳翻訳会社は全て通知するのも怠らないつもりです。そうすることにより、後進の翻訳者が悪徳翻訳会社に引っかからないようにする一助になればと願っています。
http://www.translationdirectory.com/non-payers.htm

また、私が所属するProZという世界中の翻訳者と翻訳会社を結び付けるサイトでは、翻訳者が翻訳会社を評価することが可能であり、私はそうした評価を目安に取引する翻訳会社を決めています。そうした事を含め、ProZについて思うところがあるので近いうちに1本の記事にして投稿する予定です。

今後とも宜しくお願い申し上げます。

投稿: サムライ | 2007年5月24日 (木) 午前 06時03分

私は翻訳者になって8年くらいになる専業の翻訳者です。
アメリアに関連しての悪徳商法に関する回答者のアナリシスを興味深く読みました。もちろんこの非常に鋭い視点は、多くのブログがそうであるように一方的な意見であることは分かっているので、読者が理性を持って読めばそれでよろしい読み物なのに、いかにも「やらせ」てきな弁護のコメントは、なくてもがなという気がして、少し興ざめでした。なお、私は、アメリアについては何も知りませんので、回答者に同調するわけでもなければ、反論する目的もありません。論点は少し発展します。
さて、翻訳は確かに楽しい仕事です。多くの人が翻訳を業としようとするのは無理からぬことで、また、そこには良徳、悪徳入り混じっていろいろなビジネスプレーヤーが算入してくるのも世の習いでしょう。私が翻訳の業についてまだ真っ白なときのことです。翻訳でもしようかな、と翻訳の仕事を探して、「翻訳者募集」の新聞記事を見て応募したところ、和訳、英訳の「トライアル」を受けるように要請され、送ったところ「合格」という通知が来ました。そして、そのあとその会社からほどなく送られてきたのは、翻訳の仕事ではなく、「あなたが翻訳した日英訳をネーティブの校正者が1単語いくらで校正してあげます」という営業のレターでした。「翻訳者募集」というのは、どちらかというと、翻訳者志望者のデータベース集めの「えさ」だった可能性があります。それに学習して、その後、私は一切翻訳のトライアルというものを受けたことがありません。
恐らくこういう類のコメントには「それはあなたが実力がなかったからでしょう?」という風なここぞとばかりのコメントがかえって来るでしょうから、あらかじめ言っておきますが、「そのとおりです。」なんせずぶのしろうとですから、かなりひどいものだったでしょうね。
多くの翻訳者は、翻訳を業とする時には仕事を獲得するため、私と同じようにどこかから初めなけばならないでしょう。どの切り口から攻めていくか、それぞれじっくり、試行錯誤しながら、いばらの道を、なるべくだまされないように、乗り越えて頑張るしかありません、という話です。

投稿: 永江俊一 | 2007年5月23日 (水) 午後 10時23分

アメリアの近状についてご報告いただき有り難うございました。アメリアに問題はないことを知り、嬉しく思います。

質問者と回答者のやり取りを一読してお分かりのように、質問者も回答者も翻訳というものを全く分かっていない人たちであることが一目瞭然ですね。

今後も翻訳関連のテーマを取り上げていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。

サムライ拝

投稿: サムライ | 2007年5月 5日 (土) 午後 06時55分

アメリアに入会して4年が経ちます。入会前はネットで募集記事を見つけては応募していましたが、90%以上の確率でトライアルに合格するものの仕事に結びつくことはまずありませんでした。現在、定期的に発注くださる翻訳会社は全てアメリア経由で登録したところです。

質問された方は、アメリアを「翻訳家になるためのノウハウを教え、求人情報をを提供するだけ」の組織と書かれていますが、まさにその通りです。翻訳者を目指す人をバックアップするのがアメリア。これ以上何を望まれているのかよく分かりません。

それから気になるのは「在宅でアルバイト」という言葉。翻訳を軽く考えていらっしゃいませんか。辞書を片手に、とまでいかなくとも、新規参入者でもすぐにお仕事があり、楽々何万も稼げると。アメリアの広告のことは知りませんが、そんな甘いもんではありません。

そんな甘い広告を載せるアメリアにも責任はありますが、力があればすぐに仕事を得ることができますし、できなければどこに行っても通用しないということですから今後も努力しなければなりません。

最後にこれだけ。

アメリアは悪徳業者ではありません。いつでも脱会できますし、こちらの要求には誠意を持って対応してくれます。ただし翻訳者全員にメリットがあるとは限りませんから、予め、それが無理なら1年経ったときに会費とメリットを比較することをお勧めします。

投稿: Ronco | 2007年5月 5日 (土) 午前 03時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/114689/13515369

この記事へのトラックバック一覧です: グローバル化する翻訳の仕事:

« 「フルベッキ写真」に関する調査結果 | トップページ | 西郷隆盛 »