新分野への挑戦
先月の下旬、久しぶりに映画の台本の翻訳(英文和訳)に取り組みました。もともとは一般の産業翻訳者として出発した私であり、6年が経った今日では一応はベテランの部類に入ると思いますが、知人の紹介で今年に入ってから承るようになった映像翻訳に関しては、まだまだ“新人”翻訳者に過ぎません。その映画の台本の仕事を終えた数日前、翻訳会社・サングローバル社から、同社主催で今月の10日に開催される「翻訳者の集い2005(翻訳者・翻訳会社交流イベント)」に出席しませんかというお誘いのメールが届いたのです。
上記の同社のホームページを訪問していただくと分かりますが、映像翻訳では大先輩にあたる戸田奈津子氏、最近私が体験したCT方式の生みの親・水野麻子氏が尊敬しているという医学分野の翻訳の大ベテラン・辻谷真一郎氏らが参加すると書いてありました(辻谷氏とは数回お会いしています)。また、現在の私は特許翻訳の通信講座を受講中のこともあり、大島特許事務所所長による「特許翻訳の特徴と展望」というテーマの講演にも大いに関心があります。その他、ニフティの翻訳フォーラムで有名な井口耕二氏(大分前ですが、日本翻訳連盟の翻訳環境研究会でお会いし、名刺交換を行っています)、私にとっては日英翻訳の師匠であるニコラス・ズンドルフ氏など、大勢の旧知の翻訳者に会えると思うと是非参加したいのは山々なのですが、生憎子どもたちがお世話になっているサッカーチームの試合が予定されており、9月10日は子どもたちの通う学校が会場校になっていることから、その日は早朝からグラウンド整備を行ったり、来校する他の小学生のチームを接待したりしなければなりません。したがって、残念ながら今年も欠席です。ただ、当日参加が可能な方は、この機会に大勢の翻訳者と知己になり、翻訳会社に自分を売り込む意味で参加されるといいのではないでしょうか。
ところで、今年はじめから承るようになった映像翻訳に続いて、どうやら医学分野の翻訳の仕事も本格的にスタートしそうです。長年お付き合いをしていただいている某翻訳会社から、ブログ【教育の原点を考える】に『 究極の免疫力』や『内臓が生みだす心』を書いたサムライなら、医学分野の翻訳が一応は出来るだろうと思われたらしく、他に医学が分かる翻訳者がいないという事情も手伝い、急遽私に御鉢が回ったという経緯がありました。これから当分シリーズで続く仕事とのことですので、仕事のジャンルを広げる折角のチャンスであると捉え、無謀ながらも前向きに同社の仕事を引き受けました。これで現在受講中の特許翻訳講座が修了すれば、前々からリストアップしていた特許関連の翻訳会社にトライアルを申し込むつもりなので、さらに仕事のジャンルが広がりそうです。そうなると、機械・自動車、電気・電子、土木・建築といった一般産業翻訳に加えて、映像・医学・特許を“専門分野”に加えることになりますが、事の成り行きとは云え、こんなに一度に大丈夫かなぁ…と我ながら心配になります。飽きっぽい性格の私ですので、結局は虻蜂取らずに終わってしまうのかもしれません…。
さらに、国際契約に関しては日本でも五指に入るIBDとお付き合いがあることから、前々から国際契約の英語に挑戦しようと検討していました。昔は貿易の仕事に計5年ほど従事していましたので、国際ビジネスについて多少は分かっているつもりですが、無論それだけの体験で国際契約の翻訳ができるほど甘くはありません。今年になって蒔いた、「映像」、「特許」、「医学」という種のうち、どれか一つだけでも芽が出るように頑張り、その芽が勢いよく生長する様子を見届けてから、はじめて国際契約という種を蒔こうと思っています。
最近届いた『通訳翻訳ジャーナル』10月号(イカロス出版)で「収入アップ! 5つの秘訣」という特集が載っていますが、今回お話したのは5つの秘訣の一つ、「仕事のジャンルを広げる」に相当します。ちなみに、同誌に書かれている5つの秘訣とは以下の通りです。
秘訣1: ツールを使いこなす 秘訣2: 仕事のジャンルを広げる 秘訣3: 営業で自己アピール 秘訣4: クオリティを維持・向上させる 秘訣5: 社会人としての営業を身につける |
詳細は『通訳翻訳ジャーナル』10月号を参照してください。また、本ブログの翻訳編でも以下のように秘訣1~5に相当することを書いていますので、関心のある方は一読願います。
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