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2005年8月11日 (木)

一流の翻訳者

時たまですが、翻訳の仕事をしたいという人たちから一流の翻訳者について訊かれることがあります。その場合、「森鴎外、夏目漱石、福沢諭吉あたりかな」と私は答えるのを常としていますが、夏目漱石については『昭和の劇』を取り上げたときに簡単に触れましたし、森鴎外については今週の土曜日に対談記事「〝明治の大文豪〟森鴎外の隠された真実」のアップのお知らせの際にも筆を進める予定でいます(尤も、2人の文豪の“裏の顔”について取り上げたものであり、翻訳とは無関係の投稿になっています)。よって、もう1人の一流翻訳者である福沢諭吉について簡単に触れておきましょう。以下は私のパソコンに保存してある5年前のフォルダに入っていた、『「文明論之概略」を読む』と題した一流翻訳者に関する文章の一部です。(※ 一部書き直してあります)

 私自身が翻訳を本業にしているからでしょうか、当藤原ML(注:5年前に私が主宰していた「藤原肇」というメーリングリスト)には翻訳者が大勢参加しています。その「翻訳」に関して、丸山真男が『文明論之概略』の「第一講 幕末維新の知識人」で取り上げていますので一言述べさせていただきます。(余裕があれば、同じ丸山真男と加藤周一の対談、『翻訳と日本の近代化』を一読されるとさらに思います)

「日本の学者というのはヨコのものをタテにしただけ……つまり、横文字を読んで、それを日本に紹介しただけ……じゃないかと。たしかにそのとおりです。しかし、ヨコのものをタテにするというのは実は大変なことなのだ、ということも考えていただきたい。これは、福沢諭吉を理解する上で非常に大事なことなのです。まさに、福沢は、ヨコのものをタテにするために大奮闘した先駆的思想家です。」

『「文明論之概略」を読む』は丸山真男の優れた著作の1冊であるので、1人でも大勢の人たちに一読していただければと思います。また、同書は4年前に藤原肇氏を囲んでの脱藩道場総会で採用したテキストでもありました。当時書いた『「文明論之概略」を読む』の書評が見つかれば、本ブログに載せたいと思います。

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