『Forbes』 Xbox
昨日発売された日本語版『Forbes』9月号に、「Xboxの戦略180度転換でソニーに挑むマイクロソフト」という記事が載っています。
http://dappan.hp.infoseek.co.jp/dojo/trans/pic/forbes050902.htm
拙宅の場合、壊れた分も含め、任天堂のゲームボーイが新旧合わせて5台もあり、その他に任天堂のゲームキューブ、ソニーのプレイステーション2も揃っていて、残るはXboxのみとばかり、敵(子どもたち)はXboxを虎視眈眈と狙っているようです。実は、数ヶ月前、仕事でプレイステーション2関係の記事を翻訳していた際、敵にプレイステーション2のことについて色々と尋ねたまでは良かったのですが、「今時、プレステ2を持っていないのは時代遅れ」、「お父さん、やっぱり本物を体験しないとリアルな記事書けないよ」とか何とか言われ、結局敵の総攻撃を防げずに落城してしまったという苦い思い出があります。過去の失敗の体験から、敵にXboxの記事を敵に見せては一大事とばかり、『Forbes』9月号に目を通した後は、敵に見つからないように仕事部屋の本棚に隠しました。しかし、記事を読むに、今年のクリスマスに発売されるXboxは、私のようにゲームの素人をターゲットにしているとあり、今からどのようなゲーム機なのだろうかと期待しているもう一人の自分がいます…
最近、下の子(小4)のクラスの子どもたちが書いた「将来の夢」という作文集を読みました。そして、自分の子どもではありませんでしたが、将来は「任天堂の社長になりたい」という子が2人、「任天堂の社長は無理だから、せめて部長になりたい」という子が1人いたのには驚くと同時に、夢がないなぁ……とため息をついた次第です。任天堂はすでに完成した企業であり、そんな会社の社長なんかになるよりは、自分自身の力で新しい事業を立ち上げ、それを大企業に育てた方が、遙かにロマンがあるのではないでしょうか。無論、事業を興して大企業に育てるだけが人生ではなく、来る情報化社会を睨んでのスモールビジネスも悪くはありません。私は、子どもたちが中学生高校生あたりになったら、『日本脱藩のすすめ』という本を薦めるつもりですが、その本には以下のようなことが書かれています。(同書は残念ながら絶版ですが、数年前に著者の許可を得た上で以下に電子化済みです)
http://www2.tba.t-com.ne.jp/dappan/fujiwara/library/dappan/dappan.html
●ビジネス・ノウハウを武器にして、やる気を持った小集団が創意と挑戦の気概に燃えて、既存のビジネス領域に進出を企てているのです。最初のうちは困難に遭遇して苦しいことも多いですし、涙をのんで敗退しなければならないかもしれませんが、幾ら大きなものでもマンネリに陥っていれば、必ず新進気鋭の者に隙をつかれるものです。それに組織が小さければ経費は最小限度で済むので、いざとなったら耐久度は抜群ですから、とことんまで耐えぬけば、いつかは微笑む時を迎えることが可能になります。しかも、自分でビジネスをやることによって自らの創意を生かし、実力を試すことができたら、人生これくらい楽しいことはないし、これ以上の生き甲斐を感じることはありません。 |
●ベンチャー・ビジネスというのは、問題意識とソフトウエアが非常に優れていて、この人ならこの種の問題に関して世界一とか、関西で一番わかっているという人物が寄り集まり、しかも必要最低限度だけの人間だけで構成し、不必要な者はいっさい組織の中に入れないで運営する事業です。 ...........中略............. 組織の発展の歴史をふりかえってみるなら、仕事を分担して能率をあげるという原理に従って、組織は複雑化し拡大してきたのは確かです。複雑化することによって不必要なものをとりこみ、拡大したことによって多くのものを失ってしまったという事実に注目するなら、不必要なものを切り棄て、必要があるにもかかわらず失ってしまったというものを取り戻す努力をすることも、発展の別の側面ではないでしょうか。マックス・ウェーバーが喝破した通り、官僚制というのは人間が作り上げた最も合目的的な機構であり、合理性の特徴を持ちうるものであると言えますが、組織内部の個人の能力の活用と、構成員としての個々の人材の実力の自律的増進という意味では、あまりにも多くのものを喪失しているのも事実ではないでしょうか。特に、素早い決断をするプロセスと、組織の機動性を保持するためには、最小限に複雑化し、最小限に拡大するという態度に徹しなければならず、それを実現してビジネスをやっているのが、実はベンチャー・ビジネスの正体です。ベンチャー・ビジネスは規模の単位によって大きさを計る、小企業とか零細企業とは本質的に異なった理念で成り立つものであり、外見的には似ていますが、中身は気が遠くなるほどの違いを持つといえるでしょう。 |
●ベンチャー・ビジネスは非常に経済合理主義に徹した組織体ですから、不要なものはいっさいかかえこみません。無駄と考えられる経費は全く使いません。事務所にしても、大きなビルに入って立派な看板をかける必要もありません。誰かメンバーが持っている会社の中の一室に陣取ったて構わないし、ホテルの会議室を三ヶ月間借りて仕事を仕上げ、目的を果たしたら、さっさと解散するなり、新しい組合わせで別の組織体と共同事業を始めてもいいのです。ある意味で課題を遂行するためのゲリラ組織ですから、特別任務が終わった段階で組織は解体されて再編成されるのは当然でして、この解散能力がベンチャー・グループの活力源とも言えます。特に、労働力指向型に比べると技術指向型のものが、技術指向型のものに比べると知識指向性の高い組織体の方が、より経済合理主義に徹しており、同じベンチャー・ビジネスでも最新技術とノウハウを誇るものになればなるほど、情緒性は乏しくならざるを得ない現実があります。日本人は分かれたり解散するのが苦手ですし、不要なスタッフを切り離すのは非人情だという家族主義的気分が、温情の形で価値観の基準になっていて、みな組織の中にかかえこむのがほとんどです。一度雇ったらクビは切れないし、組織が非生産的な人間の重みで動きが取れなくなっても、自滅寸前までそこにしがみついています。しかし、組織は運命共同体ではなく、ある課題を実現する目的で作られた乗りものにすぎない以上、ビジネスをやる組織は、目的の変更によって自由自在に動ける状態にない限り、自らの重みに耐えかねて自滅してしまうのは世の習いではありませんかね。 |
●ベンチャー・ビジネスというのは、多分にプロフェショナリズムと結びついており、企業家精神が科学的研究や技術開発能力と結びついてビジネスを営む状態で組織化されたものとでも規定できるのではないでしょうか。 |
ところで、子どもとゲームと言えば、ゲームばかりやる子どもの脳が危ないと騒がれた一時期がありましたが、その出所は森昭雄氏という大学教授が著した『ゲーム脳の恐怖』(生活人新書)ではないでしょうか。しかし、同書は初歩的な間違いがあるようで、アマゾン・ドットコムなどで叩かれていますし、『社会的ひきこもり 終わらない思春期』(PHP新書)という本を著した、ひきこもり研究の第一人者である精神科医の斎藤環氏も、『ゲーム脳の恐怖』を批判している一人です。
http://www.tv-game.com/column/clbr05/
私自身は、2人ともサッカーで身体を動かしている上、自然に恵まれた環境の中にいるのだし、引きこもりどころか毎日のように友達が拙宅に遊びに来ている有様なので、ゲーム脳だの引きこもりだのは今のところ心配していません。ただ、時々ゲームに夢中になっていたら、「少し目を休ませろ」と注意する程度です。尤も、つい最近までは、ゲームばかりしているので、「外で遊べ」と叱ったことが幾度かありました。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント