世界武者修行
2人の息子がサッカーをやっていることは、6月13日の「地域ぐるみの子育て」で少し触れましたが、特に上の子がサッカーに熱心で、「大きくなったら、ワールドカップに出る!」というのか夢だそうです。また、「アルゼンチンの高校にサッカー留学をしたい」とも言っています。私は、3年間かけて世界放浪の旅をしてきた人間ですが、やはり蛙の子は蛙ですね。
ところで、「みんなの日記」という、息子のクラスの父兄間で回覧している、リレー日記というのがあります。私は、その日記に、3年間の体験を簡単に書いたことがあります。それを以下に公開致しますので、私の拙文に目を通し、自分の子供を世界を舞台に活躍するような逞しい人間に育てたい、と思ってくれたお父さん・お母さんが、一人でも出てきてくれたら、大変嬉しく思います。
「みんなの日記」 2005年1月24日(月)
今日、学校から戻った息子(H)に「みんなの日記」を渡された時は、街角で旧友と久しぶりに出会ったような、なんとも言えぬ懐かしい気持ちになりました。□□先生、5年×組の父兄の皆様、昨年の7月1日以来ですね、大変ご無沙汰しております。
ところで、私が十代の頃に3年間世界放浪の旅を体験したことは前回書きましたが、実は息子のHにも当時の想い出話を時々話して聞かせることがあります。そのせいでしょうか、数ヶ月前に「中学を卒業したら“サッカー先進国”のブラジルの高校に進学したい」とHが言ってきたときは驚くと同時に、嬉しく思ったものです。ただ、私はポルトガル語が殆ど出来ませんし、昔は兎も角ブラジルには今や文通を続けている友人・知人もいません。そこで、「アルゼンチンもサッカーに強いぞ。それに日本みたいに四季がはっきりしている自然豊かな国だし、食べ物は美味しいし、みんな親切だぞ。お父さんはスペイン語に不自由しないから、通訳・翻訳もOKだ」と持ちかけたら、すっかりその気になったようです。実は、私はアルゼンチンの親友の娘さんのゴッドファーザー(教父)になっていて、その友人家族とは親戚同様のお付き合いです。だから、仮に将来Hをアルゼンチンにサッカー留学に行かせるとしても、そこの家にお世話になって、アルゼンチンの高校なり大学に通わせれば安心というものです。ここで念のため、ゴッドファーザーと言っても映画の「ゴッドファーザー」に登場してくるような怖い世界の話ではなく、国民の大半がカトリック教徒のアルゼンチンでは、自分の息子・娘にゴッドファーザーをつけるのが普通で、ゴッドファーザーになったら、その子に対して時には経済的に援助したり、時には精神的な支えとなってやったり、時には人生の先輩としてアドバイスもしたりするといった、文字通り父親の代役をするのがゴッドファーザーなのです。私は、十代の時に2ヶ月近くかけてアルゼンチンを北から南へと3000キロほどヒッチハイクで縦断しましたが、アルゼンチンの人びとは非常に友好的で、特に日本人に対しては好意的でした。それは、南米に移民として渡った日本人が、同国で懸命に働き、同国の発展に尽くしたからだといっても過言ではないでしょう。その娘さんの母親はシルビア・バイレーリと言い、昔ロンドンで私と同じイタリアン・レストランでアルバイトをしていました。その関係で彼女の生まれ故郷のアルゼンチンを是非訪問したいと思い、ロンドンから南米へアフリカ経由で飛んだのでした。その後、シルビアは日本にも来たことがあり、拙宅に半年滞在したこともあります。私も彼女の実家に2週間ほどお世話になりました。そして、時は移り変わり、お互いの娘・息子たちをそれぞれの家でお世話する時が来たような気がします。また、ホルヘ・ボルソンという、やはり同じロンドンのイタリアン・レストランで共にアルバイトをしていたアルゼンチンの友人も拙宅に半年ほど居候していた事があります。彼も底抜けに明るいラテン気質のアルゼンチン人でした。
ともあれ、Hが将来アルゼンチンにサッカー留学が実現するかどうかは、国家破産したアルゼンチンの国情というものがあって、実現出来るかどうかは何とも言えませんが、少なくとも海外で武者修行をしたいという、Hの心意気を父として応援したいと思います。何故なら、今の日本は社会的に大きく変革しようとしているため、そのしわ寄せが若者に行き、若者の失業者の増加、フリーターの増加、学力の低下という形で現れているからです。従来でしたら、一流中学・一流高校・一流大学、さらには一流企業を目指すというのが理想的なパターンと考えられていましたが、今日では潰れることなど到底あり得ないと思われていた大手企業がバタバタと倒産し、大手金融機関が次々に破綻している有様です。つまり、大学の卒業証書さえ手にすれば一生安泰という時代は過ぎ去り、今後は日本さらには世界に通用する“モノ”を身につけなければ、生き抜いていけないという時代に突入したのではないでしょうか。そうした時代にあって、ではどのように生きていくべきかについて考察した小論を、一年半ほど前に某ウェブ誌に「日本脱藩のすすめ」と題して投稿したことがあります。ご参考までに当時の原稿を貼り付けておきますので、関心のある方に目を通して頂ければ幸いです。
※上記の「日本脱藩のすすめ」は、明日公開します。
写真提供:むうじん館 http://www.fsinet.or.jp/~munesan/
むうじんさんの住む里に現れたカモシカです。無論、野生です。
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コメント
むうじんさん、
我々の住む街(田舎?)も段々と蒸し暑くなってきましたね。ところで、むうじんさんの方も「みんなの日記」が.回ってきましたか…。こちらの方では半分がお父さん、残り半分がお母さん方が書いているようです。そう言えば、そろそろ息子のクラスの父兄との間で納涼会(飲み会)がある…。楽しみです。
>「幼稚園に通う頃から靴を揃えましょう!と
>言い続けてきたが未だに揃っていたためしが
>ない。情けない!」と書きました。あれから
>一週間が過ぎましたが、不思議と靴は揃えて
>あります。
なるほど、そうした使い方もありましたか…。では、当方は、「野菜を残すな。全部食べろ!」と書きましょう…
いつも、写真でお世話になります。今度は、本物の熊の写真が欲しいのですが…。地元の○○新聞に熊が出たと一年前に書いてありましたが、今年はどうでしょうか…。しかし、カモシカとは驚きしまた。サムライ拝
投稿: サムライ | 2005年6月21日 (火) 午後 06時01分
サムライ様、おはようございます。
私の子どものクラスでも「みんなの日記」を回覧しています。子どもに「お父さんが書いて」と言われましたので、一通り読んでから書きましたが、サムライ様のブログを読む前でしたので脳天気なお父さんはこれは母親の役目?と思っていました。
さて、何を書こうかと迷いましたが、「幼稚園に通う頃から靴を揃えましょう!と言い続けてきたが未だに揃っていたためしがない。情けない!」と書きました。あれから一週間が過ぎましたが、不思議と靴は揃えてあります。うれしいよりも、正直驚いています。8年間も言い続けてきても直らなかったのがリレー日記に書いたら直るとは、、、なんでだろう?。
>自分の子供を世界を舞台に活躍するような逞しい人間に育てたい、と思って、、、
そこまで行かなくとも、次回は何を書こうかなと楽しみになりました。
投稿: むうじん | 2005年6月21日 (火) 午前 07時18分